セッション情報 一般演題

タイトル 060:

著明な貧血と黒色便を契機に発見された胃GISTの1例

演者 横山 文明(KKR札幌医療センター 消化器内科)
共同演者 関 英幸(KKR札幌医療センター 消化器内科), 平田 裕哉(KKR札幌医療センター 消化器内科), 大原 克人(KKR札幌医療センター 消化器内科), 石橋 陽子(KKR札幌医療センター 消化器内科), 菅井 望(KKR札幌医療センター 消化器内科), 三浦 淳彦(KKR札幌医療センター 消化器内科), 藤田 淳(KKR札幌医療センター 消化器内科), 鈴木 潤一(KKR札幌医療センター 消化器内科), 藤澤 孝志(KKR札幌医療センター 病理科), 岩崎 沙理(KKR札幌医療センター 病理科), 鈴木 昭(KKR札幌医療センター 病理科)
抄録 症例は82歳男性。数日前からの黒色便とふらつきを主訴に当院に救急搬送となり、Hb3.6g/dlと著明な貧血を呈していた。上部消化管内視鏡検査で胃体上部大弯に表面に潰瘍を伴う6cm大のSMTを認めた。EUSで腫瘍の主座は第4層にあり、low、highエコーが混在する充実性部分と出血・壊死を疑うlowエコー領域が認められた。CT検査では壁外に発育した16cm大の巨大な腫瘤を認めた。1年半前に肺炎で入院歴がありレトロスペクティブにCTを見返すと1cm大のSMTが認められ、急速な増大を呈していた。胃生検検体の病理組織所見で紡錘形細胞が粘液性間質を伴い束状に増生する像を呈し、免疫染色でCD34(+)、c-kit(+)、desmin(-)、αSMA(-)、S-100(-)を示していた。GISTと診断し、胃全摘術を施行した。GISTは胃、小腸、大腸、食道、腸間膜に発生する間葉系腫瘍である。臓器別発生頻度としては胃が60%~70%と最も多く、15cm以上の巨大腫瘤は比較的稀である。今回我々は貧血と黒色便を契機に発見され、急速な増大を呈した16cmにおよぶ巨大なGISTを経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 GIST, 胃