セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 041:

Cronkhite-Canada症候群の治療後に顕在化した大腸癌の一例

演者 石川 麻倫(独立行政法人労働者健康福祉機構 釧路労災病院 消化器内科)
共同演者 太宰 昌佳(独立行政法人労働者健康福祉機構 釧路労災病院 消化器内科), 立野 貴大(独立行政法人労働者健康福祉機構 釧路労災病院 消化器内科), 八木澤 允貴(独立行政法人労働者健康福祉機構 釧路労災病院 消化器内科), 澤田 憲太郎(独立行政法人労働者健康福祉機構 釧路労災病院 消化器内科), 村中 徹人(独立行政法人労働者健康福祉機構 釧路労災病院 消化器内科), 高坂  琢磨(独立行政法人労働者健康福祉機構 釧路労災病院 消化器内科), 加藤 励(独立行政法人労働者健康福祉機構 釧路労災病院 消化器内科), 梅村 真智子(独立行政法人労働者健康福祉機構 釧路労災病院 消化器内科), 高橋 一宏(独立行政法人労働者健康福祉機構 釧路労災病院 消化器内科), 曽我部 進(独立行政法人労働者健康福祉機構 釧路労災病院 消化器内科), 小田 寿(独立行政法人労働者健康福祉機構 釧路労災病院 消化器内科), 小林 清二(独立行政法人労働者健康福祉機構 釧路労災病院 外科), 小笠原 和宏(独立行政法人労働者健康福祉機構 釧路労災病院 外科), 高橋 達郎(独立行政法人労働者健康福祉機構 釧路労災病院 検査科), 宮城島 拓人(独立行政法人労働者健康福祉機構 釧路労災病院 消化器内科)
抄録 症例は70歳代男性。水様便、体重減少、味覚異常を主訴に前医受診。下部消化管内視鏡検査(CF)にてポリポーシスを認め当科紹介となった。理学的所見では脱毛、手掌色素沈着と爪甲萎縮を認めた。当院にてCF施行したところ、全結腸域において発赤した小隆起性病変が瀰漫性に多発しており、いわゆるイクラ様外観を呈していた。生検では腺管の嚢胞状拡張と瀰漫性の炎症細胞浸潤を認めた。上部消化管内視鏡検査においても、胃粘膜にイクラ様外観を認め、生検像も同様であった。これらの所見からCronkhite-Canada症候群と診断した。また同時に、S状結腸の一部に狭小化した不整粘膜を認め、生検では上皮異型を伴いgroup3-4の診断であった。プレドニゾロン30mg内服を開始したところ消化器症状は改善した。その後再度CFを施行したところポリポーシスの改善傾向にともない、S状結腸においてポリープ状隆起が不規則に集簇した病変が明らかとなり、生検の結果、高分化型腺癌であった。その後、プレドニゾロンを15mgまで減量し、当院外科にてS状結腸切除術を施行、術後病理結果ではS状結腸癌、tub2>tub1,Type5,pSS,pN1 ;pStage3aであった。
非遺伝性ポリポーシスであるCronkhite-Canada症候群と大腸癌の合併例報告は散見されるところであり、治療開始後にポリポーシスが改善した結果、腫瘍が顕在化し診断可能となる例もあるものと思われる。Cronkhite-Canada症候群の加療においては、常に消化管悪性腫瘍の存在を念頭においた経過観察が必要とされる。
索引用語 Cronkhite-Canada症候群, 大腸癌