セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 139:

消化管粘膜下腫瘍に対するEUS-FNAの診断能に関する検討

演者 高橋 慶太郎(旭川厚生病院 消化器科)
共同演者 河本 徹(旭川厚生病院 消化器科), 藤永 明裕(旭川厚生病院 消化器科), 佐藤 智信(旭川厚生病院 消化器科), 後藤 充(旭川厚生病院 消化器科), 柳川 伸幸(旭川厚生病院 消化器科), 斉藤 義徳(旭川厚生病院 消化器科), 折居 裕(旭川厚生病院 消化器科), 柴田 好(旭川厚生病院 消化器科)
抄録 【背景】2010年にEUS-FNAが保険収載されて以降、当科では主に膵腫瘍に対してEUS-FNAを施行してきたが、消化管粘膜下腫瘍に対しても質的診断目的にEUS-FNAを施行している。過去1年間の当科での消化管粘膜下腫瘍に対するEUS-FNAの診断能に関して検討した。【対象と方法】対象は2012年10月から2013年10月までにEUS-FNAを施行した消化管粘膜下腫瘍9例。男性8例、女性1例で平均年齢は66歳(56~75歳)。穿刺部位は食道1例、胃7例、十二指腸1例。腫瘍径中央値は25mm(16~49mm)。穿刺針は19G:2例、22G:4例、25G:3例であり、穿刺回数は平均2.4回(2~5回)であった。【結果】EUS-FNAの検体採取率は67%(6例/9例)であり、穿刺針別では19G:1/2例、22G:4/4例、25G:1/3例で検体採取が可能であった。FNA診断ではGIST4例、sarcoma1例、平滑筋腫1例、検体不良(赤血球または線維成分のみ)3例であった。FNA診断率は67%(6例/9例)、免疫染色可能率も67%(6例/9例)であった。EUS-FNA後、9例中6例に外科切除が施行され、術前FNA診断が可能であった症例では術後病理組織診断との一致率(正診率)は80%(4例/5例)であった。穿刺関連の偶発症は認めなかった。【考察】消化管粘膜下腫瘍に対するEUS-FNAの検体採取率や診断能は膵腫瘍、腫大リンパ節などと比較すると若干低く、60~90%と報告されている。当科での検体採取率は67%であった。検体採取率の向上には最適な穿刺針の太さの検討が必要と考える。また、on-siteでの迅速細胞診も検体採取率を向上させるという報告があり、今後の検討課題である。
索引用語 消化管粘膜下腫瘍, EUS-FNA