セッション情報 ワークショップ14(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)

患者にやさしい上部消化管内視鏡検査の工夫

タイトル 内W14-1:

午後施行する超音波内視鏡検査における空腹感軽減への取り組み

演者 細野 邦広(横浜市立大・消化器内科)
共同演者 窪田 賢輔(横浜市立大・消化器内科), 中島 淳(横浜市立大・消化器内科)
抄録 【目的】消化管内視鏡検査は通常前夜からの絶食後、翌日に施行されているが、超音波内視鏡検査は医師や施設の時間的制約などから午後に検査を行うこともある。午後の検査の場合、前夜から翌日午後までの長い絶食時間を強いることとなり、激しい空腹感を来すともに、基礎疾患をもつ症例や脱水になりやすい高齢者にとって偶発症のリスクとなる。通常食の摂取では、食残渣により検査困難となる可能性があるため、本検討においては消化をほとんど必要としない低残渣性・易吸収性の成分栄養剤を用いて、その有効性を検討した。【方法】対象は当院で超音波内視鏡検査を施行した50名(男性28名、女性22名)で、エレンタール®配合内容剤80gをゼリー状に調製し、検査当日の午前7時に摂取させ、午後1~3時に超音波内視鏡検査を施行した群(エレンタール群)と、従来群として検査前夜から絶食とし同様の時間帯で検査した群でそれぞれ25名ずつ無作為に分けた。患者背景(年齢、BMI、糖尿病合併の有無)、検査直前の空腹感などの症状、検査時における胃内残渣量、術者による観察度評価(良好、やや不良、不可)について比較検討した。【結果】患者背景において両群で有意差はなかった。胃内残渣量はエレンタール群で1名少量の残渣を認め、従来群でも1名残渣を認めたが、観察度評価は両群とも良好であった。空腹感は従来群と比べエレンタール群で有意に軽減された。またエレンタール群で腹満や下痢などの有害事象は認めなかった。【結論】エレンタール群は従来群と比較し検査自体において遜色なく施行された一方、空腹感の軽減は有意に改善されており被験者の評価は高く、午後の超音波内視鏡検査の前処置として有用だと考えられた。
索引用語 超音波内視鏡, エレンタール