セッション情報 | 一般演題 |
---|---|
タイトル | 053:食道癌に対する食道ステント留置の治療効果と合併症 |
演者 | 岡原 聡(恵佑会第2病院 消化器内科) |
共同演者 | 高橋 宏明(恵佑会第2病院 消化器内科), 三橋 慧(恵佑会第2病院 消化器内科), 安孫子 怜史(恵佑会第2病院 消化器内科), 大橋 広和(恵佑会第2病院 消化器内科), 工平 美和子(恵佑会第2病院 消化器内科), 菅原 伸明(恵佑会第2病院 消化器内科), 小平 純一(恵佑会第2病院 消化器内科), 松本 岳士(恵佑会第2病院 消化器内科), 小池 容史(恵佑会第2病院 消化器内科) |
抄録 | 【背景】食道癌患者の生活の質を落とす症状の一つとして、食道狭窄による食餌摂取障害や、食道と周囲臓器との瘻孔形成による絶飲食があげられる。食道ステント留置は、その症状を緩和する簡便で有効な手段であるが、考慮すべき合併症もあるため注意深く処置を行う必要がある。【目的】当院における食道ステント留置の治療効果および合併症を明らかにする。【対象】2012年4月から2013年11月までの約1年8ケ月間に、食道ステントを留置した食道癌患者35症例(狭窄35例、うち瘻孔合併4例)。男性29人、女性6人、年齢中央値71歳(36~96歳)。【方法】食道ステント留置の適応は、食道癌治療として手術もしくは放射線照射の予定のない、狭窄症状や瘻孔のある患者としている。ステントはPIOLAXのFlexella-J(カバードメタリックステント、短径18mm)を使用した。食道胃接合部にステントがかかる場合には逆流防止付を使用した。治療効果は、点滴不要な食事摂取が可能となったものを症状改善ありと評価した。ステント留置直後と翌日のステント短径を測定し、狭窄改善度(短径の差÷直後短径×100)を算出した。またステント留置にまつわる合併症を確認した。【結果】食道ステント留置後、症状改善ありとなったのは、35症例中26例であった。ステント留置直後の短径は平均8mmであったが、留置翌日には平均11.7mmに拡張し、狭窄改善度は平均46.3%であった。合併症として、食残による閉塞4例、逸脱・脱落4例、腫瘍による再狭窄3例、逆流による誤嚥性肺炎1例、出血1例を認めた。穿孔や留置に伴う腫瘍の周囲臓器への圧排症状(特に気管支狭窄・閉塞症状)は認めなかった。【結語】食道癌患者における食道狭窄に対して、食道ステント留置は有用であり、若干の文献的考察を含め報告する。 |
索引用語 | 食道ステント, 食道狭窄 |