セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 030:

上行結腸に穿通した虫垂癌の1例

演者 佐藤 昌則(製鉄記念室蘭病院 消化器内科・腫瘍内科)
共同演者 藤井 重之(製鉄記念室蘭病院 消化器内科・腫瘍内科), 松野 鉄平(製鉄記念室蘭病院 消化器内科・腫瘍内科), 山田 充子(製鉄記念室蘭病院 消化器内科・腫瘍内科), 安部 智之(製鉄記念室蘭病院 消化器内科・腫瘍内科), 櫻井 環(製鉄記念室蘭病院 消化器内科・腫瘍内科), 黒田 裕行(製鉄記念室蘭病院 消化器内科・腫瘍内科), 前田 征洋(製鉄記念室蘭病院 消化器内科・腫瘍内科), 藤田 美悧(製鉄記念室蘭病院 病理・臨床検査室), 仙丸 直人(製鉄記念室蘭病院 外科・呼吸器外科), 定免 渉(札幌医科大学 医学部 腫瘍・血液内科)
抄録 原発性虫垂癌は比較的まれな疾患であり、特徴的な症状や検査所見がなく術前診断は困難であることが多いとされている。今回、我々は術前に上行結腸に穿通し、虫垂炎と診断し手術を施行した結果虫垂癌と診断された1例を経験したので報告する。
症例は、64歳女性。高血圧症、甲状腺機能亢進症にて当院循環器内科通院中であった。3週間前から続く、右側腹部痛を主訴に平成24年12月当科受診となった。血液検査にて炎症反応の上昇を認めた。また、CTにて上行結腸の壁肥厚と背側に膿瘍形成を認めた。虫垂は同定不能であった。
血清CEA値は24.8と高値であったため、悪性腫瘍の否定目的に下部内視鏡検査を施行し、虫垂入口部に発赤と上行結腸に虫垂の穿通部と思われる上行結腸後壁に中央に潰瘍を伴う粘膜下腫瘍様の隆起を認めた。両者より生検を施行したが悪性所見なく、待機的に手術を行う方針とした。初診から2ヶ月の経過にて炎症反応改善、CEAも6.2まで改善したため虫垂炎の経過として矛盾しなかったが、悪性腫瘍の可能性は否定できず外科切除となった。
術後の病理にて虫垂腺癌の結果であり、病理学的にも上行結腸穿通、後腹膜への穿通を確認された。
若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 虫垂癌, 結腸穿通