セッション情報 一般演題

タイトル 184:

回腸子宮内膜症によりイレウスを発症した1例

演者 小泉 忠史(北海道社会保険病院 消化器センター)
共同演者 馬場 英(北海道社会保険病院 消化器センター), 定岡 邦昌(北海道社会保険病院 消化器センター), 古家 乾(北海道社会保険病院 消化器センター), 関谷 千尋(北海道社会保険病院 消化器センター), 脇坂 和貴(北海道社会保険病院 消化器センター), 市川 伸樹(北海道社会保険病院 消化器センター), 中西 一彰(北海道社会保険病院 消化器センター), 数井 啓蔵(北海道社会保険病院 消化器センター), 服部 淳夫(北海道社会保険病院 病理)
抄録 症例は40歳代女性。平成25年9月某日朝から心窩部痛、右下腹部痛、頻回な嘔吐が見られたため同日夜に当院へ救急搬送された。以前から子宮筋腫、子宮内膜症を指摘されていた。本年6月に腸閉塞で当院入院歴あり。入院時の理学所見では、発熱は認めなかった。右下腹部に圧痛、反跳痛を認めるも筋性防御は認めなかった。血液検査ではWBC 10660/μl、CRP 1.24mg/dlと軽度炎症反応の上昇を認めた。第2病日に施行した腹部超音波検査では回盲弁の腫大、回腸末端部での腸管壁の浮腫性肥厚とそれより口側腸管の拡張を認めた。また、上行結腸に浮腫性肥厚が強く、横行結腸からS状結腸にかけて軽度の壁肥厚を認めた。胆嚢近傍、下腹部の小腸周囲に少量の腹水を認めた。6月腸閉塞の時点ではMeckel憩室による腸重積も否定できずMeckel憩室シンチグラフィを行うも明らかな集積は認めなかった。短期間でイレウスを繰り返しており、閉塞起点となるような原因の検索目的に10月某日に審査腹腔鏡を施行した。腹腔鏡では回腸子宮内膜症の所見が認められ、腹腔鏡下回盲部切除術を施行した。術後経過は良好で術後9病日に退院となった。子宮内膜症における腸管子宮内膜症の合併は珍しいものではないが、直腸やS状結腸に多いと言われ小腸子宮内膜症は比較的稀といわれている。今回イレウスで発症した回腸子宮内膜症の1例を経験した。文献的考察を加えて報告する。
索引用語 腸管子宮内膜症, イレウス