セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 133:増大する肝過形成結節を認めた先天性門脈欠損症の一例 |
演者 | 福田 昂一郎(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座・免疫・リウマチ内科学講座) |
共同演者 | 阿久津 典之(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座・免疫・リウマチ内科学講座), 赤保内 正和(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座・免疫・リウマチ内科学講座), 我妻 康平(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座・免疫・リウマチ内科学講座), 若杉 英樹(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座・免疫・リウマチ内科学講座), 志谷 真啓(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座・免疫・リウマチ内科学講座), 本谷 雅代(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座・免疫・リウマチ内科学講座), 高木 秀安(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座・免疫・リウマチ内科学講座), 佐々木 茂(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座・免疫・リウマチ内科学講座), 篠村 恭久(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座・免疫・リウマチ内科学講座) |
抄録 | 症例は33歳男性。1982年(2歳)食道静脈瘤破裂を契機に、前医小児科にて特発性門脈圧亢進症(IPH)と診断され、1996年から当科で経過観察されていた。2001年CTにて肝S3に2cm大の低吸収域を認め、過形成結節を考え経過を見ていたが、2003年には6cmに増大したため肝外側区切除術を施行。病理組織学的診断では、結節は限局性結節性過形成(FNH)様結節と診断し、背景肝は門脈域における著明な門脈枝の狭小化と一部消失を認め、肝実質内の異常血行路の存在からIPHに矛盾しない所見と考えられた。その後、肝結節性病変が新たに出現したが、生検にて同様の結果でありIPHに伴う過形成性結節と考え経過を見ていた。しかし、肝結節病変はさらに増大を認め、徐々に肝予備能の低下を認めることから再精査目的に2013年9月入院。血管造影および結節と背景肝に対して生検を施行した。経動脈性門脈造影およびCTAPで門脈は同定困難であった。病理組織学的診断では、結節に悪性所見はなく過形成変化と線維化巣の存在を認め、背景はA1F1相当であったが、一部の門脈域に門脈消失所見を認めた。さらに本症例は、臨床所見として精神遅滞および先天性白内障、小眼球症、Dandy-Walker症候群の先天性疾患を認めていたことから、今までの経過を含めIPHよりは先天性門脈欠損症が診断として妥当であると判断した。 先天性門脈欠損症は肝腫瘍の合併を高率に認め、FNHが多いとされるが、肝細胞癌や肝腺腫の合併の報告もあり、厳重な経過観察が必要である。非常にまれな疾患であり貴重と考えられるため若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 先天性門脈欠損症, 限局性結節性過形成 |