セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 140:

特発性胃軸捻転症の2症例

演者 阿部 宗一郎(北海道医療センター 消化器内科)
共同演者 中原 生哉(北海道医療センター 消化器内科), 馬場 麗(北海道医療センター 消化器内科), 渡邊 秀平(北海道医療センター 消化器内科), 田中 道寛(北海道医療センター 消化器内科), 武藤  修一(北海道医療センター 消化器内科), 木村 宗士(北海道医療センター 消化器内科), 大原 行雄(北海道医療センター 消化器内科)
抄録 特発性胃軸捻転は、一般的に小児に多く成人には稀とされる。今回、成人発症の特発性胃軸捻転症の2症例を経験したので報告する。症例1、70代男性。パーキンソン病で他院入院中、夜間の発熱、翌日から食欲不振と上腹部の膨満感、嘔気症状が頻繁となるため当科紹介となった。レントゲン、CTにて胃の内容物貯留と拡張を認めた。幽門部が上方に位置し胃が逆α像を呈しており、胃軸捻転症と診断した。症例2、20代女性。夕食後から心窩部痛と嘔気を認め近医受診。制吐剤を投薬されて帰宅。しかし、症状の改善は見られず当院救急搬送となる。CTにて胃の拡張と幽門部の上方偏位、胃の逆α像を認め、胃軸捻転症と診断した。胃軸捻転症は、胃の全体あるいは一部が生理的範囲を超えて捻転し、胃内容の通過障害を来した形態異常とされる。胃の固定靱帯の形成不全などが言われている。今回の症例は、2症例とも特発性と考えられ、大彎と小彎を結んだ線を中心軸とした短軸性捻転と考えられた。症例1は内視鏡治療のみで整復され、症例2は胃管による減圧後再発予防目的に胃固定術が施行された。2症例ともその後の胃の捻転再発は起こっていない。
索引用語 特発性胃軸捻転, 成人発症