セッション情報 一般演題

タイトル 058:

食道癌術後胸骨後再建胃管に経皮内視鏡的胃瘻造設術を施行し経胃瘻的空腸瘻にて経腸栄養が確立された1例

演者 真崎 茂法(宮の森記念病院 消化器科)
共同演者 本城 信吾(小笠原クリニック札幌病院 消化器内科), 山北 圭介(旭川医科大学 第二内科), 草間 敬司(オホーツク勤医協北見病院 消化器内科), 森田 康太郎(勤医協中央病院 消化器内科), 後藤 哲(勤医協中央病院 消化器内科), 西尾 仁(勤医協中央病院 消化器内科), 高木 秀雄(勤医協中央病院 消化器内科), 古山 準一(勤医協中央病院 消化器内科), 森園 竜太郎(勤医協中央病院 消化器内科), 水尾 仁志(勤医協中央病院 消化器内科), 内沢 政英(勤医協中央病院 消化器内科)
抄録 症例は77歳男性.平成10年に食道癌にて食道亜全摘胸骨後胃管再建術を受けた.平成16年に脳梗塞を発症し,介助のもと在宅療養されていた.平成25年7月重症肺炎にて人工呼吸器管理による集中加療を受け,早期経腸栄養のため経鼻経管栄養がなされていた.急性期加療後も嚥下障害のため経鼻経管栄養が継続され,経鼻胃管挿入・交換は頸部の吻合部の通過が困難でX線透視下にて行われていた.また,経管栄養後の栄養剤の逆流がたびたび見られ経腸栄養の安定した施行が困難な状況であった.平成25年8月リハビリ目的に当科入院.経鼻胃管では管理困難にて経皮内視鏡的胃瘻造設術(以下PEG)を行うこととした.腹部CT上,剣状突起のわずかに尾側でPEGは施行可能と思われた.8月末日PEG目的にEGD施行,幽門輪近傍の前庭部前壁にPEGが可能と思われたが視野が狭く胃壁固定を行うことは困難であった.通常当科で行っているintroducer法での造設は困難にて,pull法に切り替え造設を行った.経鼻経管栄養の際の栄養剤逆流の経過があったため胃瘻から半固形化栄養を試みたが誤嚥性肺炎が繰り返され胃瘻での栄養確立は困難な状況であった.9月末日胃瘻から経胃瘻的空腸瘻(以下PEG-J)に入れ替えし,持続経腸栄養を行いその後は誤嚥性肺炎の再燃なく経腸栄養が確立された.食道癌術後胸骨後胃管再建後の本症例においてはpull法でのPEG,およびPEG-Jでの経腸栄養が有用であった.文献的考察を加え報告する.
索引用語 食道癌術後, 経皮内視鏡的胃瘻造設術