セッション情報 |
一般演題(専修医(卒後3-5年))
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タイトル |
040:クローン病に対するインフリキシマブ維持投与の有効性持続期間に関する検討
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演者 |
宮川 麻希(札幌厚生病院 IBDセンター) |
共同演者 |
那須野 正尚(札幌厚生病院 IBDセンター), 田中 浩紀(札幌厚生病院 IBDセンター), 本谷 聡(札幌厚生病院 IBDセンター), 今村 哲理(札幌厚生病院 IBDセンター) |
抄録 |
【目的】インフリキシマブ(IFX)は極めて有効なクローン病(CD)治療薬であり,5mg/kgを8週毎に維持投与することで長期にわたる寛解維持を得ることが可能となった.一方,維持投与中に治療効果が減弱する,いわゆる二次無効をはじめとする治療困難例が少なからず存在することが現状の課題である.今回我々は,IFXにより治療されたCDを対象に,IFX維持投与の有効性持続期間とそれに影響する背景因子について検討した.【方法】2002年5月から2012年8月までにIFXによる寛解導入治療が施行されたCD 355例のうち,14週以上IFXが投与された277例を対象とした.IFX維持投与の有効性消失を(1) IFXの投与期間短縮(7週未満)あるいは倍量投与への変更 (2) 投与時反応または遅発性過敏症の出現によるIFX中止 (3) 腸管切除術 (4) アダリムマブへの変更のいずれかと定義し,Kaplan-Meier法を用いて累積有効性持続率を検討した.さらに,累積有効性持続率に影響する背景因子をログランク検定により比較検討した.【結果】患者背景は,男性204例・女性72例,平均年齢31.2歳,平均罹病期間7.5年,小腸型68例・小腸大腸型152例・大腸型56例,腸管切除の既往歴 96例,狭窄 111例,内瘻18例,肛門病変 118例.併用療法では免疫調節薬(アザチオプリン/6-メルカプトプリン)197例,5-ASA製剤245例,成分栄養療法 194例,ステロイド 28例であった.0週時の平均CRP 2.19mg/dl,14週時の平均CRP 0.46mg/dlであった.累積有効性持続率は,1年76%,3年56%,5年45%であり,有効性持続期間の中央値は3.5年であった.ログランク検定では,免疫調節薬の併用(3年57% vs 44%, p=0.02)と14週時のCRP 0.3 mg/dl以下(3年 69% vs 38%,p<0.01)が累積有効性持続率を有意に改善する背景因子であった.【結語】CDに対するIFX 5mg/kgの8週毎の維持投与による持続的有効性は限定的であったが,免疫調節薬の併用により長期の有効性持続期間が得られることが示された.さらに,14週時のCRP値改善がIFX有効性持続の予測因子となり得る可能性が示唆された. |
索引用語 |
クローン病, インフリキシマブ |