セッション情報 一般演題

タイトル 095:

当院における腹腔鏡下脾摘術症例の検討

演者 服部 優宏(札幌北楡病院 外科)
共同演者 三野 和宏(札幌北楡病院 外科), 後藤 順一(札幌北楡病院 外科), 玉置 透(札幌北楡病院 外科), 久木田 和丘(札幌北楡病院 外科), 目黒 順一(札幌北楡病院 外科), 米川 元樹(札幌北楡病院 外科)
抄録 【はじめに】脾摘術が適応となる疾患には特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、遺伝性球状赤血球症、自己免疫性溶血性貧血などの血液疾患、脾腫瘍、感染や代謝性疾患による脾腫などがある。侵襲をより少なくするための腹腔鏡下脾摘術が普及してきているが、症例は多くなく、定型化されているとは言えない。当院で施行した腹腔鏡下脾摘術群(LAP群)と開腹脾摘術群(OPEN群)でBMI、手術時間、術中出血量、摘出脾重量、術後在院日数などについて検討したので報告する。【対象と方法】2008年1月から2013年12月まで当科で施行した脾摘術26例のうちLAP群は18例、OPEN群は8例であった。LAP群は3‐5孔による手術で、巨脾や操作困難などを理由に小開腹した例は6例であった。BMI17で、脾重量が1050gの症例は、腹腔鏡で開始したが管子操作できず途中で開腹したため、OPEN群とした。OPEN群は正中切開4例、左季肋下切開4例であった。【結果】BMIは両群間で有意差を認めなかった。手術時間はLAP群203分、OPEN群143分で有意にLAP群が長かった。出血量はLAP群238ml、OPEN群442mlで有意差はないがLAP群で少ない傾向にあった。脾重量はLAP群262g、OPEN群は694gで、有意にOPEN群で重かった。術後在院日数は、有意差はないがLAP群10日、OPEN群12日であった。【考察】今回の検討から、開腹脾摘術は巨脾例で多く行われ、短時間で手術が終わる利点がある。しかし、腹腔鏡下脾摘術は、手術時間は開腹よりもかかるが出血量は少なく、疼痛コントロールや整容性で優れている。また、在院期間も短くなる傾向にある。【結語】腹腔鏡下脾摘術は症例を選択すれば侵襲も少なく整容性にも優れ、有用な手術と思われる。文献的考察を加えて報告する。
索引用語 腹腔鏡下脾摘術, 開腹脾摘術