セッション情報 |
一般演題
|
タイトル |
180:小腸病変の確認と治療効果判定にカプセル内視鏡が有用であった好酸球性胃腸炎の1例
|
演者 |
北岡 慶介(小樽掖済会病院 消化器病センター) |
共同演者 |
小松 悠弥(小樽掖済会病院 消化器病センター), 高梨 訓博(小樽掖済会病院 消化器病センター), 和賀 永里子(小樽掖済会病院 消化器病センター), 藤田 朋紀(小樽掖済会病院 消化器病センター), 勝木 伸一(小樽掖済会病院 消化器病センター) |
抄録 |
好酸球性胃腸炎は比較的まれな疾患とされている.その小腸病変の内視鏡像については,ほとんどがバルーン式小腸内視鏡を用いた報告であり,カプセル内視鏡により小腸病変を確認したという報告は非常に少ない.今回我々は小腸病変の確認とその治療効果判定にカプセル内視鏡が有用であった好酸球性胃腸炎の症例を経験したため報告する.症例は71歳女性,2012年8月より腹痛と下痢(10行以上/日)が出現し,次第に血便も認められるようになったため当センターを受診.血液検査では白血球数33060/μl,分画で好酸球53.0%と著明な好酸球増多を認め,精査加療目的に入院となった.腹部CTでは腹水を認めず,明らかな消化管の通過障害を疑う所見は認められなかった.上部消化管内視鏡検査では胃粘膜の発赤・びらんと浅い潰瘍,十二指腸の発赤とびらんを認めた.下部消化管内視鏡検査では全大腸にわたり発赤調粘膜とびらんが散在していた.小腸カプセル内視鏡では全小腸に軽度の発赤,最大径10mm程のびらんと浅い潰瘍が散見されたが,特異的な所見は認められなかった.胃・十二指腸・大腸からの生検組織で粘膜内への好酸球浸潤が認められ,各種所見と併せて粘膜型の好酸球性胃腸炎と診断した.PSLの内服による治療を開始したところ,その直後より自覚症状は著明に改善.外来でPSLを5mg/dayまで減量したが経過良好であった.カプセル内視鏡を再検査したところ病変はほぼ消失していたためPSLを中止.以後再発を認めていない. |
索引用語 |
好酸球性胃腸炎, 小腸カプセル内視鏡 |