セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
176:大腸内視鏡検査前処置における併用薬としてのアコチアミドとモサプリドクエン酸塩水和物の比較検討
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演者 |
藤田 朋紀(小樽掖済会病院 消化器病センター) |
共同演者 |
小松 悠弥(小樽掖済会病院 消化器病センター), 北岡 慶介(小樽掖済会病院 消化器病センター), 和賀 永里子(小樽掖済会病院 消化器病センター), 高梨 訓博(小樽掖済会病院 消化器病センター), 勝木 伸一(小樽掖済会病院 消化器病センター) |
抄録 |
【目的・方法】下部消化管内視鏡検査の前処置として腸管洗浄剤による洗浄を実施することが一般的である.しかし,2~4リットルの洗浄剤服用が被験者にとって多大な負担となっている.従来当院では腸管洗浄剤(クエン酸マグネシウム)にモサプリドクエン酸塩水和物を検査前日毎食後3回内服・当日1回内服することにより腸管洗浄剤の服用量の軽減を図ってきた.平成25年6月機能性ディスペプシアを適応症としてアコチアミドが発売となったが,今回院内倫理委員会の承認を得た上で大腸内視鏡検査前処置時にアコチアミドとモサプリドクエン酸塩水和物を併用薬として,腸管洗浄剤の内服量と洗浄効果の比較検討を行った.尚,アコチアミドの内服は用法・用量に従い,検査前日毎食前3回内服・当日1回内服とした.【対象】平成25年8月29日から同年12月6日の期間において,当センターで下部消化管内視鏡検査を受け,本検討に同意した125症例.【方法】125症例をアコチアミド服用群72症例とモサプリドクエン酸塩水和物服用群53症例に無作為に割り付け,それぞれの群において服用した洗浄剤の量を比較した.また,内視鏡検査担当医は上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸の洗浄度を5段階で判定した.【結果】服用した洗浄剤の量についてはアコチアミド服用群2082±292ml・モサプリドクエン酸塩水和物服用群2287±224ml(P=0.0003)とアコチアミド服用群で有意に少なかった.洗浄効果については残渣がほとんど認められない評価1の割合がアコチアミド服用群・モサプリドクエン酸塩水和物服用群で各々上行結腸87.5%・67.9%,横行結腸80.6%・66.0%,下行結腸44.4%・37.7%,S状結腸41.7%・37.7%であり,アコチアミド服用群の方が内服量・洗浄効果の両者において有用である可能性が示された.【結論】大腸内視鏡検査前処置においてアコチアミドを併用することにより腸管洗浄剤の内服量を減少させることができ,腸管洗浄効果においても有用であることが示唆され,有効な選択肢となりうると思われた. |
索引用語 |
アコチアミド, 大腸検査前処置法 |