セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 114:胆嚢異物性肉芽腫 (foreign body granuloma)の1例 |
演者 | 平子 匡(伊達赤十字病院 消化器科) |
共同演者 | 久居 弘幸(伊達赤十字病院 消化器科), 小柴 裕(伊達赤十字病院 消化器科), 宮崎 悦(伊達赤十字病院 内科), 前田 喜晴(伊達赤十字病院 外科), 佐藤 正文(伊達赤十字病院 外科), 川崎 亮輔(伊達赤十字病院 外科), 行部 洋(伊達赤十字病院 外科), 上野 峰(伊達赤十字病院 外科), 池田 裕貴(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座), 在原 洋平(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座) |
抄録 | ガーゼ、糸などの異物が原因となって肉芽腫を形成する異物性肉芽腫 (foreign body granuloma)の報告は散見されるが、胆嚢に発症する例は極めてまれである。今回、進行胆嚢癌との鑑別を要した胆嚢異物性肉芽腫の1切除例を経験したので報告する。 症例は78歳、男性。既往歴では、61歳 高血圧症、67歳 前立腺癌で全摘術、68歳脳梗塞、72歳経皮的冠動脈形成術、74歳早期胃癌で幽門側胃切除術 (Billroth-I再建)。術後の胃食道逆流症にて当科通院中であったが、経過観察目的に施行した平成25年6月の腹部USで胆嚢底部に16mm大の広基性の内部エコーやや不均一な低エコー腫瘤を認めた。CTでは同部位は軽度の増強効果のある低吸収値腫瘤であった (1年前のCTでは10mmの腫瘤が指摘可能であった)。EUSでは表面やや不整、内部エコー不均一な低エコーの広基性腫瘍性病変であり、内部に高エコー領域を認め、胆嚢壁の外側高エコーは不明瞭であった。 以上より進行胆嚢癌も否定できないため、同年7月に当院外科にて胆嚢・胆嚢床切除術+周囲リンパ節郭清術を施行した。病理組織所見では胆嚢底部に径18mm大の広基性の腫瘤性病変を認め、上皮直下に泡沫状組織球の集簇があり、周囲の炎症細胞の浸潤・上皮の軽度異型を認めた。同部位近傍の粘膜下 (固有筋層~漿膜内)に縫合糸と思われる異物と周囲の濾胞形成を示す炎症・線維化が認められた。以上より胆嚢異物性肉芽腫と診断した。 |
索引用語 | 胆嚢異物性肉芽腫, foreign body granuloma |