セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 143:

ペア血清が診断に有用であった小腸アニサキス症の一例

演者 齋藤 敦(札幌東徳洲会病院 消化器センター)
共同演者 佐藤 龍(札幌東徳洲会病院 消化器センター), 巽 亮二(札幌東徳洲会病院 消化器センター), 松原 悠(札幌東徳洲会病院 消化器センター), 好崎 浩司(札幌東徳洲会病院 消化器センター), 坂本 淳(札幌東徳洲会病院 消化器センター), 網塚 久人(札幌東徳洲会病院 消化器センター), 木村 圭介(札幌東徳洲会病院 消化器センター), 太田 智之(札幌東徳洲会病院 消化器センター)
抄録 【症例】60歳代、男性【既往歴】胃潰瘍に対して幽門側胃切除、高血圧【経過】腹痛と腹部膨満を主訴に近医を受診し、腹部X線検査にて小腸イレウスの疑いであり、同日当院を紹介された。発症2日前にサンマの刺身を摂取していた。来院時、腹部は膨隆し左上腹部に反跳痛と限局した筋性防御を認め、腸蠕動音はやや亢進していた。腹部造影CT検査所見では空腸の限局性の壁肥厚とその口側腸管の拡張および腸液貯留をみとめイレウスの像を呈していた。少量の腹水を伴っていたが、腸管壁の造影不良は認めなかった。血液学的所見では白血球は8060 /μlと正常(好酸球も正常)であったが、CRPは17.02 mg/dlと上昇していた。開腹歴はあったが、現病歴やCT所見から小腸アニサキス症によるイレウスを強く疑い、外科と連携の上、イレウス管を挿入し抗生剤投与による保存的治療を開始した。第5病日にはイレウス管からの排液が無くなり、造影検査で通過障害が無いことを確認し、第6病日にイレウス管を抜去した。イレウス管造影では小腸に毋指圧痕様所見が限局して見られた。上下部内視鏡検査では異常所見は認めず、第2病日に提出したELISA法によるアニサキスIgG・A抗体は1.09と陰性であったが、第12病日に再検したところ1.83と上昇しており、アニサキス症による小腸イレウスと診断した。【考察】小腸アニサキス症は早期の確定診断が困難であることが多く、開腹されて初めて診断される例も多い。しかし詳細な問診、CT、採血所見等を総合的に判断することで外科的手術を回避できる可能性がある。また、アニサキス症疑診例においてペア血清が診断に有用であると考えられる。
索引用語 イレウス, アニサキス