セッション情報 | 一般演題 |
---|---|
タイトル | 086:びまん性肝腫瘍の3例 |
演者 | 河野 豊(札幌医科大学 医学部 腫瘍・血液内科) |
共同演者 | 宮西 浩嗣(札幌医科大学 医学部 腫瘍・血液内科), 大須賀 崇祐(札幌医科大学 医学部 腫瘍・血液内科), 保木 寿文(札幌医科大学 医学部 腫瘍・血液内科), 田村 文人(札幌医科大学 医学部 腫瘍・血液内科), 林 毅(札幌医科大学 医学部 腫瘍・血液内科), 佐藤 勉(札幌医科大学 医学部 腫瘍・血液内科), 佐藤 康史(札幌医科大学 医学部 腫瘍・血液内科), 瀧本 理修(札幌医科大学 医学部 腫瘍・血液内科), 小船 雅義(札幌医科大学 医学部 腫瘍・血液内科), 加藤 淳二(札幌医科大学 医学部 腫瘍・血液内科) |
抄録 | 肝機能異常の原因検索目的の精査により診断したびまん性肝腫瘍の3例の画像所見について報告する.症例1:患者は67歳,男性.脂質異常症,虚血性心疾患にて他院通院中に体重減少を自覚し,血液検査で白血球と血小板の減少,さらには肝胆道系酵素の上昇を認められたため当科紹介入院となった.腹部CTやソナゾイド造影USでは明らかな腫瘤を認めなかった.血液学的検査では肝硬変やウイルス性,自己免疫性,あるいは薬剤性の肝障害が否定的であり,肝生検を施行.異型リンパ球の肝細胞実質への浸潤が認められ,B cell lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissueと診断した.後日施行した骨髄生検では悪性リンパ腫の骨髄浸潤が認められた.なおPET-CTでも肝臓にびまん性の集積を認めていた.症例2:患者は79歳,男性.腎癌術後の多発肺転移に対してIFN療法施行中に胆道系酵素の上昇を認められたため当科紹介受診.造影CTやソナゾイド造影USでは門脈右枝内の造影欠損像を認め,MRI拡散強調画像では梗塞を疑う右葉全体の拡散障害を認めたが,肝内に胆管拡張や腫瘤像は認めなかった.肝障害の原因検索目的に肝右葉から肝生検を施行し,病理学的には腎癌の肝転移と診断された.症例3:患者は66歳,男性.腹痛を訴え近医を受診され血液検査で肝障害を認められた.症状が軽快しないため,精査目的に当科紹介入院.腹部造影CTでは右葉前区域を中心とした造影効果のある巨大な腫瘍が置換性に増殖しており,脾内には多数の腫瘤を認めた.肝腫瘍生検にて悪性黒色腫の肝転移と診断した.いずれの症例も肝腫瘍の画像としては非典型的であり,画像のみで診断は困難であった.稀な症例ではあると考えられるが,肝機能異常の原因としてびまん性肝腫瘍の可能性も念頭に,病理学的検索を検討する必要があると思われる. |
索引用語 | びまん性肝腫瘍, 肝生検 |