セッション情報 一般演題

タイトル 084:

若年男性に多発し増大傾向を示したFNHが疑われた1例

演者 後藤 哲(勤医協中央病院 消化器センター)
共同演者 古山 準一(勤医協中央病院 消化器センター), 森田 康太郎(勤医協中央病院 消化器センター), 西尾 仁(勤医協中央病院 消化器センター), 森園 竜太郎(勤医協中央病院 消化器センター), 高木 秀雄(勤医協中央病院 消化器センター), 内沢 政英(勤医協中央病院 消化器センター), 水尾 仁志(勤医協中央病院 消化器センター)
抄録 【症例】20歳台、男性。【主訴】多発性肝腫瘤影(SOL)精査目的。【現病歴】高校生の時、尿異常を指摘され、近医にて画像検査を施行し肝SOLを2個指摘されたが精査せず。2010年4月検診にて肺の異常を指摘され前医受診。胸部単純CTにて、肝多発性SOLを指摘され、2010年8月、当科に精査入院。生活歴ではホルモン剤使用なし。飲酒はビール700mL+焼酎1合/日で6年間。腫瘍マーカーはCEA 6.0、PIVKA-2 208と高値。肝内には15個ほどのSOLを認めるが、画像所見にてSOLは同一パターンではなく、以下に、最大の(1)S6 6.5cm大、2番目の(2)S8 5cm大のSOLの所見を示す。超音波検査にて、(1)は境界不鮮明で不均一な淡いhigh echo、(2)は境界明瞭でhaloを伴う内部不均一なhigh echoであった。造影CTにて、(1)は辺縁の斑状enhanceが徐々に中心に広がり、内部はlow-low、(2)の辺縁は動脈相low、平衡相isoで境界が不鮮明化、内部は動脈相の不均一なhigh & lowから平衡相にて一部淡いhighのほぼisoとなり不鮮明化した。MRI(EOB-DTPA)の肝細胞相にて、(1)は辺縁low、内部low、(2)は辺縁high、内部lowであった。肝生検の病理組織所見では、非腫瘍性肝組織を認め、部分的線維化巣とその中に残存する肝細胞集団を認め、限局性結節性過形成(FNH)が疑われた。良性病変であり、多発している事より、外来経過観察とした。13か月後、(2)のS8病変が60→72mmと増大傾向を示した為、他院外科に紹介した。【結論】本症例の肝多発性SOLは病理組織所見からFNHが疑われたが、各種画像所見は非典型的であった。その後の経過観察で一部の腫瘤に増大傾向を認めた。
索引用語 限局性結節性過形成(FNH), 画像診断