セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
017:悪性胆道狭窄に対する経乳頭的胆汁細胞診と胆管生検の検討
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演者 |
高木 智史(札幌社会保険総合病院 消化器科) |
共同演者 |
藤澤 倫子(札幌社会保険総合病院 消化器科), 今井 亜希(札幌社会保険総合病院 消化器科), 吉田 純一(札幌社会保険総合病院 消化器科) |
抄録 |
胆管癌および膵癌により悪性胆道狭窄をきたしたときには、ERCPを利用した方法により病理組織学的診断がなされることが多い。すなわち、ERCP下に、(1)吸引した胆汁、ENBDからの胆汁排液の細胞診、(2)狭窄部のブラシ擦過細胞診、(3)狭窄部の鉗子生検組織診である。今回、われわれは、2003年1月から2012年12月までの過去10年間に悪性胆道狭窄に対しERCPを行い、このうち検体を採取した31症例を対象とし検討を行った。男女比は22:9であり、平均年齢は69.7歳(40-89歳)であった。疾患の内訳は、膵癌が4例、肝外胆管癌が18例、肝門部胆管癌が5例、胆嚢癌胆管浸潤が2例、肝細胞癌が2例であった。最終診断は手術、剖検、肝生検、腹水細胞診、臨床経過などから行った。今回の検討の結果では細胞診はClass IV以上を、組織診はGroup IV以上を陽性とした。胆汁細胞診は1例あたり1回~5回、ブラシ擦過細胞診、鉗子生検検体は1例あたり1回~3回の採取が行われていた。対象症例全体での感度は胆汁細胞診で25.8%、ブラシ擦過細胞診で58.0%、鉗子生検組織診で70.9%であった。特異度はいずれも検体採取法でも100%であった。膵癌および胆嚢癌胆管浸潤は胆管外原発腫瘍の胆管浸潤といった差異があるためか、胆管癌と比較しいずれの検体採取法においても感度は低い傾向にあった。胆管生検では上部胆管から肝門部胆管において十分な検体が採取されていないことが多かった。ブラシ擦過細胞診や胆管生検では疑陽性であり、胆汁細胞診で確定診断となった症例もあった。ERCP時の検体採取法としてはブラシ擦過細胞診が感度の高さおよび疾患毎の陽性率のばらつきの少なさから第一選択とされる方法と考えられるが、胆管鉗子生検や胆汁細胞診を追加することで感度の向上が図られるものと考えられた。 |
索引用語 |
悪性胆道狭窄, 胆管生検 |