セッション情報 一般演題

タイトル 097:

緊急ERCP関連手技の現況

演者 高木 亮(手稲渓仁会病院 消化器病センター)
共同演者 真口 宏介(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 高橋 邦幸(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 潟沼 朗生(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 小山内 学(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 矢根 圭(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 金 俊文(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 松本 和幸(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 松森 友昭(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 権 勉成(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 友成 暁子(手稲渓仁会病院 消化器病センター)
抄録 【目的】緊急ERCP関連手技の現況について検討する.【対象】2010年11月より2013年10月までの3年間に施行したERCP関連手技2623例のうち,緊急ERCP関連手技を施行した347例(13.2%)を対象とした.平均年齢73.3歳(16~100歳).緊急の定義は,来院・転科後24時間以内に検査・処置を行ったものとした.【検討項目】1)受診形態,2)疾患内訳,3)処置内容,4)治療成績,5)偶発症,6)予後.【結果】1)救急搬送99(28.5%),他科入院中19(5.5%),walk in 229(66.0%)であった.2)胆道疾患341(98.3%),膵疾患6(1.7%).胆道疾患では良性255(74.8%),悪性86(25.2%).良性では急性胆管炎が232(91.0%)であり,胆管結石が193(83.2%)と最も多く,うち膵炎併存34,胆嚢炎併存22であった.胆管結石を認めない胆管炎は39(16.8%),うち膵炎併存5.急性胆嚢炎は21(胆石有18:無3).その他胆管損傷(外傷1,胆摘時1).悪性は急性胆管炎84(97.7%)であり,EBS留置中が54(67.5%,PS27,MS27)であった.膵疾患では,慢性膵炎による主膵管狭窄4(EPS留置中1)のほか急性膵炎1,外傷性膵管損傷1であった.3)胆管結石に対しては,一期的治療128(66.3%;EST92 (うちENBD追加14),EPBD・EPLBD21(+ENBD6),排石 15(+ENBD12)),二期的治療を目指しドレナージとしたのが 64(33.2%;ENBD33、EBS31),scope到達困難1であった.胆嚢炎43例(胆管炎併存22を含む)中40例にENGBDを試み,成功34(85.0%)であった.胆管結石(-)胆管炎には,EST3,ENBD25,EBS6,造影のみ 4,scope到達困難1であった.悪性のstent留置中にはENBD23,EBS交換・追加31,留置(-)ではENBD10,EBS18(PS14,MS4),造影のみ1,scope到達困難1.4)全体での処置成功率は96.8%(336/347)であった.5)4例(1.2%).内訳は膵炎3(軽症3),胆嚢管穿孔1であり,保存的に全例軽快.6)在院死は4例あり,重症胆管炎1(処置後1日),重症胆嚢炎1(処置後1日),原病死1(胆管癌),他病死1(誤嚥性肺炎)であった.【結論】緊急ERCP関連手技の成功率は高く,偶発症率も低率で良好な成績であった.
索引用語 緊急ERCP, 緊急内視鏡