セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
106:ESD症例における同時性異時性多発胃癌の検討
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演者 |
浦出 伸治(手稲渓仁会病院 消化器病センター) |
共同演者 |
田沼 徳真(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 野村 昌史(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 栗原 弘義(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 田中 一成(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 真口 宏介(手稲渓仁会病院 消化器病センター) |
抄録 |
【背景】ESDは胃機能温存を可能にした優れた治療法である反面、癌発生母地である粘膜も温存される。近年、ESDの普及に伴い同時性あるいは異時性に多発する胃癌を少なからず認める。【目的】ESDを施行した早期胃癌症例に発生した同時性異時性多発胃癌の現況について検討する。なお、初回ESDより1年未満に新規病変を認めた症例を同時多発、1年以降に認めた症例を異時多発と定義した。【対象と方法】2003年7月より2012年11月までに当院で初回ESDを施行した早期胃癌患者410例のうち、多発病変を認めた57例(13.9%)を対象とし、(1)患者背景(年齢、性別)、(2)多発例数、(3)多発病変数、(4)発生領域、(5)肉眼形態、(6)組織型、(7)ヘリコバクターピロリ(HP)感染・萎縮性胃炎(木村・竹本の分類)についてretrospectiveに検討した。【結果】(1)54-90歳(中央値74歳)、男性48例(84.2%)。(2)同時多発39例、異時多発22例 (4例は重複)。(3)5病変1例、4病変3例、3病変11例、2病変42例。(4) U領域22病変、M領域35病変、L領域77病変。同一領域31例、2領域24例、3領域2例。(5)隆起性38病変、陥凹性96病変。同一形態35例(隆起性のみ5例、陥凹性のみ30例)。(6)分化型118病変、未分化型3病変、混在13病変。同一組織44例(分化型43例、混在1例)。(7)HP検査施行26例中、陽性15例。C-I / II 3例、C-III / O-I 8例、O-II / III 46例。【考察】内視鏡切除例における多発胃癌の頻度は10%前後とする報告が多く、今回の検討でも同様であった。多発例は萎縮範囲の広い症例が多く、約半数は複数領域に発生していた。萎縮の進んだ症例では多発病変を念頭に置いた内視鏡観察を行うことが重要であると考えられた。 |
索引用語 |
多発胃癌, ESD |