共同演者 |
小池 祐太(市立札幌病院 消化器内科), 重沢 拓(市立札幌病院 消化器内科), 藤田 輿茂(市立札幌病院 消化器内科), 遠藤 文菜(市立札幌病院 消化器内科), 小野 雄司(市立札幌病院 消化器内科), 中村 路夫(市立札幌病院 消化器内科), 工藤 俊彦(市立札幌病院 消化器内科), 永坂 敦(市立札幌病院 消化器内科), 西川 秀司(市立札幌病院 消化器内科) |
抄録 |
症例は73歳女性.2012年4月,黄疸を主訴に当科を紹介受診された。画像検査では胆管像は片側性の圧排狭窄を呈しており、胆管から外側に膨張性発育する腫瘤像を認め,中部胆管癌(T2N0M0:c-Stage II)と診断した.胆汁細胞診で腺癌細胞が認められ,経乳頭的腫瘍生検では中分化型扁平上皮癌が認められた.2012年5月,膵頭十二指腸切除術が施行され,術後病理組織学的検査では95%以上の扁平上皮癌成分とわずかな腺癌成分の混在を認め,腺扁平上皮癌と診断した(adenosquamous carcinoma, nodular expanding type, ss, ly0, v0, pn0, pHinf0, pGinf0, pPanc0, pDu0, pPV0, pA0, pHM0, pEM0, pT2, pN0(0/26), pM0, Stage II).術後17ヶ月の現在,再発なく生存中である。胆管腺扁平上皮癌は同一癌病巣に腺癌部分と扁平上皮癌部分とが相接もしくは混在する癌腫であり,肝外胆管癌では比較的稀な腫瘍である.通常の腺癌と比較して予後は不良とされているが,本症例は根治切除が可能であった肝外胆管腺扁平上皮癌の1例である.文献的考察を加えてここに報告する. |