セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 112:Hemosuccus Pancreaticusの1例 |
演者 | 山北 圭介(旭川医大病院 病態代謝内科学分野) |
共同演者 | 北野 陽平(旭川医大病院 病態代謝内科学分野), 長南 茉欧(旭川医大病院 病態代謝内科学分野), 鈴木 裕子(旭川医大病院 病態代謝内科学分野), 今澤 雅子(旭川医大病院 病態代謝内科学分野), 和田 佳緒利(旭川医大病院 病態代謝内科学分野), 太田 雄(旭川医大病院 病態代謝内科学分野), 須藤 隆治(旭川医大病院 病態代謝内科学分野), 玉木 陽穂(旭川医大病院 病態代謝内科学分野), 麻生 和信(旭川医大病院 病態代謝内科学分野), 羽田 勝計(旭川医大病院 病態代謝内科学分野) |
抄録 | 症例は81歳男性。平成25年9月に下血を主訴に近医を受診し、下部消化管内視鏡検査を施行されたが出血源は特定出来なかった。その直後に左足に動脈塞栓症を発症し、シロスタゾール、アスピリンが開始された。同年10月再度下血し上・下部消化管内視鏡が行われたが出血源を特定することが出来ず、精査加療目的に当科へ紹介入院となった。ダブルバルーン小腸内視鏡を行ったが、出血の原因になりうる病変を指摘できなかった。当院入院後は出血を認めなかったが前医で出血した際の採血で膵酵素の上昇を認めており、またCTで膵尾部に10mm大の嚢胞性病変を指摘されていたため精査を考慮していたが、入院第11病日に重症急性胆嚢炎を発症したため、外科で緊急胆嚢摘出術を施行された。術後の経過は良好であったが中止していた抗血小板薬を再開したところ再度消化管出血をきたした。その際のCTで膵嚢胞の増大と膵の腫大、膵酵素の上昇を伴っておりhemosuccus pancreaticusが疑われた。上部消化管内視鏡を行ったところ十二指腸乳頭から血腫の排出が疑われた。あらためてダイナミックCTを撮影したところ仮性嚢胞と思われる膵尾部の嚢胞内に動脈瘤が出現しており出血源と考えられた。当院放射線科に依頼し、血管造影を施行したところ短胃動脈に動脈瘤が確認されたため、出血源と判断しTAEを行った。術後経過は良好で、抗血小板薬を再開しても現在まで再出血を認めていない。本症例では当初明らかでなかった動脈瘤が経過観察中に画像でとらえられる様になっており診断に時間を要した。文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | hemosuccus pancreaticus, 出血 |