セッション情報 | 合同シンポジウム「全身性疾患に伴う消化器疾患」 |
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タイトル | S1-4:分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(BD-IPMN)に合併した悪性腫瘍の検討 |
演者 | 久居 弘幸(伊達赤十字病院 消化器科) |
共同演者 | 平子 匡(伊達赤十字病院 消化器科), 小柴 裕(伊達赤十字病院 消化器科), 宮崎 悦(伊達赤十字病院 内科), 前田 喜晴(伊達赤十字病院 外科), 佐藤 正文(伊達赤十字病院 外科), 川崎 亮輔(伊達赤十字病院 外科), 行部 洋(伊達赤十字病院 外科), 上野 峰(伊達赤十字病院 外科), 在原 洋平(伊達赤十字病院 消化器科DELIMITER札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座), 池田 裕貴(伊達赤十字病院 消化器科DELIMITER札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座) |
抄録 | 【目的】膵癌および他臓器悪性腫瘍の高危険群としての分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(BD-IPMN)について検討した。 【方法】対象は平成8年4月~平成25年11月に切除または画像診断によりBD-IPMN(混合型を含む、浸潤癌を除く)と診断した481例(診断時年齢40~98歳、平均74歳、M/F 223/258、単発262例(54.5%)で、全症例の観察期間は0~200か月(中央値28.5か月)であった。 【成績】1)糖尿病(DM)の合併は159例(33.1%)に認められた。無症状例は328例(68.2%)で、BD-IPMNの発見契機は他疾患のスクリーニング239例(49.6%)、DMのスクリーニング70例(14.6%)などであった。2)通常型膵癌の合併は25例(5.2%)であり、53~91歳(平均75歳)、M/F 13/12、同時性21例、異時性4例(BD-IPMN診断後、20か月、24か月、123か月、126か月)で、病期(JPS)は、stage I 3例、III 6例、IVa 6例、IVb 10例であった。53か月後のIPMN由来浸潤癌を1例に認めた。3)他臓器癌の合併は145例(30.1%)で、50~95歳(平均77歳)、M/F 83/62であり、膵癌・他臓器癌非合併例と比して、有意に高齢で男性例が多かった。重複癌19例(うち三重癌2例)で、のべ166例の腫瘍において、同時性90例、異時性76例(BD-IPMN診断前56例、診断後20例)であった。内訳は消化器癌が119例(71.7%)で、その内訳は胃50、大腸29、肝16、胆管11、胆嚢6、食道5、その他2で、消化器癌以外では泌尿器系14(前立腺7、腎盂・膀胱6、腎1)、肺13、乳7、その他13であった。 【結論】BD-IPMNには比較的高率に膵癌・他臓器悪性腫瘍が合併することから、DM患者を含めた効率の良いIPMNの発見方法の確立と膵のみならず他臓器の定期的な経過観察・スクリーニングが必要である。また、prospectiveな多施設での検討も重要な課題である。 |
索引用語 | 分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍, 悪性腫瘍 |