セッション情報 |
合同ワークショップ「消化器疾患における診断治療困難例への対処」
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タイトル |
010:ホルミウムYAGレーザーを用いて截石し得た胆道結石の2例
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演者 |
羽広 敦也(イムス札幌消化器中央総合病院) |
共同演者 |
丹野 誠志(イムス札幌消化器中央総合病院), 林 明宏(イムス札幌消化器中央総合病院), 金野 陽高(イムス札幌消化器中央総合病院), 上野 敦盛(イムス札幌消化器中央総合病院) |
抄録 |
【背景】胆道内を占拠するような大結石もしくは多発結石症例では治療に難渋することがしばしば経験される.ホルミウムYAGレーザー(Hoレーザー)はエネルギーの到達深度が約0.5mm未満で非常に浅いため隣接組織への損傷はわずかであり,低侵襲かつ高い結石破砕力が期待できる.今回,Hoレーザーを用いて截石し得た胆管結石の2例を経験したので報告する.【症例1】60歳代女性.検診にて肝機能異常を指摘され当科受診.腹部CTおよびMRCPにて肝内胆管の拡張と胆嚢頚部から中部胆管にかけて存在する26mm大の結石を認めた.ERCで結石は胆嚢頚部に嵌頓し総胆管と瘻孔を形成しており,Mirizzi症候群McSherry II型と考えられた.経乳頭的に機械的砕石を試みるも結石を把持できないため,SpyGlass System(Boston Scientific)を用いてHoレーザー截石を施行した.十分な截石を得た後,バスケットおよびバルーンカテーテルで排石した.治療関連偶発症は認められなかった.【症例2】70歳代女性.20年以上前に他医で胆嚢摘出術が施行され,その際に胆管十二指腸吻合術が行われた.発熱にて近医受診,CT,MRCPで肝内胆管に充満する多数の結石を認めた.まず,内視鏡的に十二指腸吻合部からの排石を試みるも,胆管造影で外側区胆管は造影されず,鋳型状に結石が陥頓しているため截石困難と判断し,PTBDを施行後,経皮胆道鏡下にHoレーザー截石を施行した.2 sessionでのHoレーザー截石により十分な砕石を行った後,胆管十二指腸吻合側よりバスケットおよびバルーンカテーテルで排石した.治療関連偶発症はみられなかった.【結論】治療に難渋する大結石などの難治性胆道結石症例において,Hoレーザーは高い結石破砕効果を有しており,有用な治療法のひとつと考えられた. |
索引用語 |
ホルミウムレーザー, 胆道結石 |