セッション情報 一般演題

タイトル 172:

潰瘍性大腸炎に対するインフリキマブ投与症例の検討

演者 杉山 隆治(市立旭川病院消化器病センター)
共同演者 垂石 正樹(市立旭川病院消化器病センター), 川内 宏仁(市立旭川病院消化器病センター), 中村 和正(市立旭川病院消化器病センター), 助川 隆士(市立旭川病院消化器病センター), 小澤 賢一郎(市立旭川病院消化器病センター), 千葉 篤(市立旭川病院消化器病センター), 斉藤 裕輔(市立旭川病院消化器病センター)
抄録 目的:ステロイド依存性・抵抗性潰瘍性大腸炎(UC)に対するインフリキマブ(IFX)の有効性について検討する対象・方法:当院で診断・治療中の中等症~重症UCのうちIFXを投与した9例を対象とし、IFX投与8週目と52週目の治療効果をMayo scoreを用いて評価した。結果:症例の内訳は男5例、女4例で投与時の平均年齢は43.5歳、罹病期間は平均5.8年であった。病型は全大腸炎型が8例、左側大腸炎型が1例で、投与開始理由は2例がステロイド抵抗性、7例がステロイド依存性であった。また6例にタクロリムスが先行投与されていた。投与8週目の治療効果が評価可能であった6例において、寛解3例、有効2例、無効1例であり、52週目ではIFXによる維持療法が継続できた4例において寛解2例、有効2例であった。またこの4例の内視鏡的評価では3例が粘膜治癒と判定された。IFX投与8週目において、9例中、有効例は5例で寛解3例、有効2例であり、無効例4例中3例は外科手術を施行し、1例は維持療法を継続中である。考察:UCの難治例に対する治療方針として、タクロリムスに加えてインフリキマブ、アダリムマブの生物学的製剤も適応となり使用機会が増加している。しかしながら、これらの製剤の使い分けや維持療法の中止の指標などは一定の見解はなく今後解決すべき課題は多い。今回のわれわれの検討からはIFXの維持療法はステロイド離脱に有用と考えられ、長期維持により粘膜治癒も達成しうることが示された。
索引用語 潰瘍性大腸炎, インフリキシマブ