セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 093:頻用薬で惹起された薬物性肝障害の二例 |
演者 | 荒井 潤(昭和大学医学部 内科学講座 消化器内科学部門) |
共同演者 | 森川 賢一(昭和大学医学部 内科学講座 消化器内科学部門), 飯島 堅太郎(昭和大学医学部 内科学講座 消化器内科学部門), 宮下 みゆき(昭和大学医学部 内科学講座 消化器内科学部門), 下間 祐(昭和大学医学部 内科学講座 消化器内科学部門), 坂木 理(昭和大学医学部 内科学講座 消化器内科学部門), 野本 朋宏(昭和大学医学部 内科学講座 消化器内科学部門), 土肥 弘義(昭和大学医学部 内科学講座 消化器内科学部門), 江口 潤一(昭和大学医学部 内科学講座 消化器内科学部門), 斉藤 光次(昭和大学医学部 病理学講座 病理学部門), 国村 利明(昭和大学医学部 病理学講座 病理学部門), 九島 巳樹(昭和大学医学部 病理学講座 臨床病理診断学部門), 伊藤 敬義(昭和大学医学部 内科学講座 消化器内科学部門), 吉田 仁(昭和大学医学部 内科学講座 消化器内科学部門) |
抄録 | 【症例1】高血圧、高脂血症で通院中の70代の女性。2013年5月、褐色尿が出現し外来受診。受診時血液検査成績にてAST 1,655 IU/l、ALT 2,769 IU/lと高値であり、腹部超音波上急性肝炎像を呈しており同日より入院となった。入院後血液検査成績より各種ウイルス性肝炎や自己免疫性肝障害は否定的であった。DDW-J2004薬物性肝障害(DILI)ワークショップのスコアリングが7点であり、約1か月半前に内服開始されたバルサルタン/アムロジピン配合剤、補中益気湯を薬剤誘発性リンパ球刺激試験(DLST)に提出したが結果は各々陰性、偽陽性であった。第9病日に施行した経皮的肝生検の組織像では、肝細胞障害型DILIに矛盾しない所見であった。上記薬物中止後も肝障害が遷延したため、以前から短期間の間欠的内服を行っていたエチゾラム、テプレノンをDLSTに追加提出したところテプレノンがstimulation index(SI) 2.2と陽性(1.8以上陽性)であり原因薬剤と考えられた。 【症例2】50代の男性。2009年12月、近医で感冒に対し臭化水素酸デキストロメトルファン、カルボシステイン、オフロキサシンを処方された。2~3週後より黄疸が出現し、翌年1月の受診時血液検査成績にてAST 1,311 IU/l、ALT 1,479 IU/lと高値であり入院となった。他の肝疾患は否定的であり、DILIスコアリングは6点であった。第5病日に施行した経皮的肝生検では、肝細胞障害型DILIに矛盾しない所見であった。近医にて投薬された3剤をDLSTに提出したところ、カルボシステインがSI 283%(181%以上陽性)と陽性であり原因薬剤と考えられた。 【考察】投与薬物の種類が増加する昨今、DILIの頻度は増加している。今回遷延する肝障害を認めた二症例に対しDLSTを実施しいずれも頻用薬が陽性であった。以前から間欠的な内服を繰り返していた薬剤も原因として考慮する必要があると考えられた。 【結語】頻用薬で惹起され遷延を認めた薬物性肝障害の二例を経験したので報告する。 |
索引用語 | 薬物性肝障害, テプレノン |