セッション情報 研修医セッション(卒後2年迄)

タイトル 057:

腹腔鏡下胆嚢摘出術後良性胆道狭窄の1例

演者 服部 大輔(東京北社会保険病院外科)
共同演者 頼木 領(東京北社会保険病院外科), 岡村 淳(東京北社会保険病院外科), 森園 剛樹(東京北社会保険病院外科), 松野 成伸(東京北社会保険病院外科), 細井 則人(東京北社会保険病院外科), 首藤 介伸(東京北社会保険病院外科), 天野 正弘(東京北社会保険病院外科), 山口 真彦(東京北社会保険病院外科), 住永 佳久(東京北社会保険病院外科)
抄録 症例は75歳、男性。約1年前、胆石胆嚢炎にて腹腔鏡下胆嚢摘出を施行。術中、術後経過に問題はなかった。前日より突然心窩部痛が出現し持続するため、来院、中部胆管の狭窄による閉塞性黄疸、肝機能障害を指摘され、入院し、ENBDチューブを留置した。CTにて胆嚢管の遺残がみられ、三管合流部近傍の胆管壁肥厚による狭窄像、肝内胆管、総肝管の拡張がみられた。胆汁細胞診を3回行ったが、悪性細胞は検出できずERBDチューブに変え、一時退院。約1.5ヶ月後再入院し、狭窄部を含めた中部胆管切除、周囲リンパ節廓清を行ったが、術中迅速病理検査では悪性所見はみられず、良性胆道狭窄と判断し、胆管空腸吻合を追加した。病理標本では胆嚢管合流部の胆管壁に肥厚が見られ、胆嚢管とともに繊維化とリンパ球浸潤の慢性炎症像を認め、遺残した胆嚢管の炎症が波及し三管合流部の狭窄を来したものと考えられた。腹腔鏡下胆嚢摘出術後の良性胆道狭窄は手術操作による胆道損傷に起因することが多いが、遺残胆嚢管の炎症波及も一因となりうることが示された。
索引用語 胆道狭窄, 腹腔鏡下胆嚢摘出術