セッション情報 |
専修医セッション(卒後3-5年)
|
タイトル |
035:膵局所動注療法前後に膵Perfusion CTを施行した重症急性膵炎の一例
|
演者 |
山宮 知(昭和大学 医学部内科学講座 消化器内科学部門) |
共同演者 |
北村 勝哉(昭和大学 医学部内科学講座 消化器内科学部門), 佐藤 悦基(昭和大学 医学部内科学講座 消化器内科学部門), 林 栄一(昭和大学 医学部内科学講座 消化器内科学部門), 石井 優(昭和大学 医学部内科学講座 消化器内科学部門), 岩田 朋之(昭和大学 医学部内科学講座 消化器内科学部門), 野本 朋宏(昭和大学 医学部内科学講座 消化器内科学部門), 吉田 仁(昭和大学 医学部内科学講座 消化器内科学部門) |
抄録 |
【症例】60代,男性 【主訴】上腹部痛 【現病歴】2013年初夏,上腹部痛を自覚し,近医を受診.アルコール性軽症急性膵炎の診断にて入院となった.翌日,腹痛の増悪を認めたため,造影CT検査を施行したところ,膵頭部から体部の造影不良域を認め,当院へ転送となった.【既往歴】虫垂炎:12歳,十二指腸潰瘍:40歳,急性心筋梗塞:58歳 【飲酒歴】日本酒3合/日×42年 【入院時現症】体温38.1℃.腹部全体に圧痛,反跳痛,筋性防御を認める.【血液検査所見】WBC 16,500 /μL,Hb 13.8×104 /μL,Ht 39.9%,Plt 17.8×104 /μL,T-Bil 1.3 mg/dL,BUN 9.4 mg/dL,Cr 0.78 mg/dL,Ca 7.3 mg/dL,AST 43 IU/L,ALT 21 IU/L,LDH 301 IU/L,ALP 152 IU/L,γ-GTP 88 IU/L,AMY 923 IU/L,lipase 1,438 U/L,CRP 13.18 mg/dL 【血液ガス分析】(O2 nasal 3L) pH 7.455,PaCO2 29.6 mmHg,PaO2 67.4 mmHg,BE -2.4 mEq/L,SpO2 94.7% 【入院後経過】厚生労働省急性膵炎重症度判定基準における予後因子3点,造影CT grade 3の重症急性膵炎(SAP)と診断した.入院時に膵Perfusion CT を施行したところ,膵頭部造影不良域の血流速度(Fv)は,17.75 mL/minと低下していた.腹腔動脈および上腸間膜動脈より蛋白分解酵素阻害薬と抗菌薬による膵局所動注療法を5日間施行した.第5病日に腹痛は消失し,膵炎は軽快した.入院2週間後に再度,膵Perfusion CTを施行したところ,膵頭部造影不良域のFvは,38.7 mL/minまで上昇しており,膵血流の改善を一部認めた.【結語】膵局所動注療法を施行したSAPに対して治療前後に膵Perfusion CTを施行し,血流速度低下部位の変動を評価した.SAPに対する膵Perfusion CTの文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 |
重症急性膵炎, 膵Perfusion CT |