セッション情報 | 研修医セッション(卒後2年迄) |
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タイトル | 058:腹腔内の遊離ガスを契機に発見された気腫性胆嚢炎の一例 |
演者 | 安西 晃子(平塚共済病院 消化器科) |
共同演者 | 山崎 好喜(平塚共済病院 消化器科), 國松 奈津子(平塚共済病院 消化器科), 鈴木 瑞人(平塚共済病院 消化器科), 北川 博之(平塚共済病院 消化器科), 河西 顯太郎(平塚共済病院 消化器科), 菊地 正臣(平塚共済病院 消化器科), 菊地 秀彦(平塚共済病院 消化器科), 里道 哲彦(平塚共済病院 消化器科), 濱名 俊也(平塚共済病院 消化器科), 野登 誠(平塚共済病院 消化器科) |
抄録 | 【症例】70歳、男性。【主訴】腹痛。【経過】201X年6月X日、就寝前心窩部痛が出現。翌日も改善を認めないため近医を受診し痛み止めの注射と内服薬を処方されたがその後も疼痛が持続するため、同日精査加療目的に当院救急外来を受診。【既往歴】高血圧、2型糖尿病、虫垂炎術後(24歳)【生活歴】喫煙歴: 20本/日(40年間)、飲酒: ビール1缶/日(50年間)。【入院時現症】体温 36.1℃,血圧 131/101mmHg,脈拍 120/min・整,呼吸数20回/分,腹部はやや膨隆し,心窩部~左上部を最強点とする圧痛あり、反跳痛・筋性防御も認めた。【入院時検査所見】WBC 11400,CRP 7.41と炎症反応の上昇を認め、AST 126,ALT 90,ALP 324,γ-GTP 461,T.Bil 1.6,BUN 23.8,Cr 2.42と肝機能・腎機能障害を認めた。動脈血液ガスでは代謝性アシドーシスの呼吸性代償を認めた。腹部単純CT検査では胆嚢周囲、胆嚢内および腹腔内十二指腸周囲多数の free airを認め、胆嚢周囲の脂肪織の濃度上昇も認められ、以上より気腫性胆嚢炎の穿孔による穿孔性腹膜炎の診断で緊急入院となった。【入院後経過】入院後速やかに緊急手術を施行。胆嚢摘出術+腹腔内洗浄を施行した。また入院後DIC症候群となったが抗生剤およびトロンボモジュリン等の点滴にて症状は改善し、術後11日目に退院となりました.【考察】気腫性胆嚢炎は, ガス産生菌の感染により胆嚢内腔、壁内および胆嚢周囲組織内のガス貯留を特徴とする急性胆嚢炎で原因は、加齢による動脈硬化や高血圧、糖尿病などによって胆嚢壁に虚血性の変化が生じ二次的に嫌気性菌の感染が加わることによって発症すると考えられている。気腫性胆嚢炎に関し文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 気腫性胆嚢炎, 遊離ガス |