セッション情報 研修医セッション(卒後2年迄)

タイトル 059:

家族性膵癌の一例

演者 穂積 崇史(がん・感染症センター 都立駒込病院 消化器内科)
共同演者 小泉 理美(がん・感染症センター 都立駒込病院 消化器内科), 江頭 秀人(がん・感染症センター 都立駒込病院 消化器内科), 岩崎 将(がん・感染症センター 都立駒込病院 消化器内科), 千葉 和朗(がん・感染症センター 都立駒込病院 消化器内科), 田畑 拓久(がん・感染症センター 都立駒込病院 内視鏡科), 来間 佐和子(がん・感染症センター 都立駒込病院 消化器内科), 桑田 剛(がん・感染症センター 都立駒込病院 消化器内科), 藤原 崇(がん・感染症センター 都立駒込病院 消化器内科), 小泉 浩一(がん・感染症センター 都立駒込病院 消化器内科), 荒川 丈夫(がん・感染症センター 都立駒込病院 内視鏡科), 藤原 純子(がん・感染症センター 都立駒込病院 内視鏡科), 門馬 久美子(がん・感染症センター 都立駒込病院 内視鏡科), 神澤 輝実(がん・感染症センター 都立駒込病院 消化器内科)
抄録 【症例】66歳、女性。【主訴】背部痛。【現病歴】4ヶ月継続する背部痛を主訴に近医を受診し、糖尿病を指摘され内服療法を開始した。その後3ヶ月間に10kgの体重減少を認め、腹部超音波検査で膵尾部と肝臓に腫瘤を指摘され当院へ紹介された。【家族歴】姉が70歳で膵癌にて死亡。【嗜好歴】機会飲酒、タバコ10本/日を10年間。【経過】腹部CTでは膵尾部に6cm大の腫瘤性病変、多発肝転移、腹膜播種を認め、また血中腫瘍マーカーは異常高値を呈した。慢性膵炎や膵嚢胞の合併は認めなかった。肝の腫瘍生検では膵癌の転移に矛盾しない腺癌の所見であり、全身化学療法(GEM 1000mg/ m2 +TS-1 80mg/ body)を施行し、現在外来通院中である。【考察】家族性膵癌は、第一度近親者に二人以上の膵癌が存在し、膵癌の組織診断がなされ、他の遺伝疾患に分類されない場合に診断される。一般的に膵癌の家族歴を有すると膵癌発症リスクが13倍と高率であることが知られており、本症例でも膵癌危険因子としては家族歴があげられた。今回、過去5年間に当院で経験した膵癌388例の中で、本症例を含めた第一度近親者に膵癌を持つ家族性膵癌16例について、臨床的特徴やサーベイランスを文献的考察を含めて検討したため報告する。
索引用語 膵癌, 家族歴