セッション情報 一般演題

タイトル 082:

脊椎カリエスにより下腸間膜動脈に感染性動脈瘤を形成し、十二指腸水平脚に穿破した1例

演者 濱田 清誠(済生会川口総合病院 消化器内科)
共同演者 小柳 佳成(済生会川口総合病院 消化器内科), 松井 茂(済生会川口総合病院 消化器内科), 目時 亮(済生会川口総合病院 消化器内科), 小林 久里子(済生会川口総合病院 消化器内科), 平田 嘉幸(済生会川口総合病院 消化器内科), 高杉 秀明(済生会川口総合病院 消化器内科), 関根 忠一(済生会川口総合病院 消化器内科), 原澤 茂(済生会川口総合病院 消化器内科)
抄録 【症例】70歳 女性 【現病歴】平成22年10月腰痛で近医受診。脊椎カリエスの疑いで11月4日当院整形外科紹介受診。11月12日骨生検の結果脊椎カリエスの診断となる。整形外科で手術予定となり、12月20日Hgb 11.6g/dlで自己血採血400g施行。平成23年1月自己血採血2回目施行予定であったがHgb9.4 g/dlと低値で施行できず。平成23年1月11日脊椎カリエスの手術目的で、整形外科入院となる。【入院後経過】入院時血液検査でHgb7.0 g/dlと低値であった。13日午後下血し当科受診となり、緊急大腸内視鏡検査施行するが、大腸内には出血源は認められなかった。14日上部内視鏡検査施行。食道、胃内に出血源認めなかったが、十二指腸水平脚に潰瘍認め、拍動性の出血を認めた。クリップによる止血を試みるが止血困難であった。処置中に血圧低下、出血性ショックを併発。内視鏡室で気管内挿管、輸血、昇圧剤等の救命処置を行った。内視鏡での止血処置はこれ以上困難と判断し、IVR治療に移行したが出血部位は特定できなかった。IVR中に内視鏡的止血術を行うが出血はコントロールできなかった。内科的治療は困難と判断し、外科で緊急開腹手術を行うこととなった。十二指腸水平脚を開窓すると背側に約1cmの穿孔部位があり動脈性の出血を認めた。腹部大動脈分枝が炎症により動脈瘤を形成し、その動脈瘤が十二指腸に穿通し大量出血したものと考えられた。出血部位を縫合し手術終了とした。しかし、大量出血に伴うショック状態から多臓器不全を併発し1月15日死亡した。病理解剖の結果、 粟粒結核、結核性脊椎炎(Th12,L1),下腸間膜動起始部に感染性動脈瘤を認め、その感染性動脈瘤が十二指腸水平脚と接しており穿孔を起こしたものと判明した。【 結語】脊椎カリエスにより下腸間膜動脈に感染性動脈瘤を形成し、十二指腸水平脚に穿破した症例を経験したので報告した。
索引用語 十二指腸, 脊椎カリエス