セッション情報 研修医セッション(卒後2年迄)

タイトル 055:

肝細胞癌腸骨転移再発病変に対して、ラジオ波焼灼療法にて治療を行った1例

演者 鳥谷  健一郎(NTT東日本関東病院)
共同演者 青山 徹(NTT東日本関東病院), 三角 宣嗣(NTT東日本関東病院), 松井 貴史(NTT東日本関東病院), 渡邉 俊介(NTT東日本関東病院), 田島 知明(NTT東日本関東病院), 港 洋平(NTT東日本関東病院), 小豆嶋 銘子(NTT東日本関東病院), 香川 幸一(NTT東日本関東病院), 野中 康一(NTT東日本関東病院), 藤澤 聡郎(NTT東日本関東病院), 大圃 研(NTT東日本関東病院), 寺谷 卓馬(NTT東日本関東病院), 松橋 信行(NTT東日本関東病院)
抄録 【症例】69歳女性【主訴】左鼡径部痛【現病歴】2012年5月に下腹部痛にてCT施行。肝S8に15mm大の結節を確認。精査目的で当科紹介受診。CT、MRIにて精査したところ、肝細胞癌と診断。同部位に対して、ラジオ波焼灼療法(以下:RFA)施行。2012年8月下旬より、左鼡径部痛出現。MRI上、左腸骨に15cm大の腫瘤を確認し、骨転移と診断。同部位に対して放射線治療施行(60Gy/30fr)。その後、疼痛コントロール良好となったが、2013年3月下旬より、左鼡径部痛出現。同年4月12日PETCTにて、再発と考えられる集積あり。疼痛コントロール目的で2013年4月入院。【既往歴】4歳時 右目失明、68歳時 左深部静脈血栓症【家族歴】母:肝硬変、長男:心筋梗塞【嗜好歴】喫煙歴なし、飲酒歴なし【アレルギー】なし【入院時身体所見】身長163cm、体重76kg、BMI:28.6 左鼡径部違和感あり、その他特記所見なし【主な検査所見】AFP125.8ng/ml、AFP-L3分画89.6%。超音波上、左腸骨 24mm大の低エコー結節を確認。PET-CT上、左腸骨に集積あり。【治療経過】放射線治療部位からの再発で合計照射線量が安全領域を超えることから、有害事象出現の可能性が高いと判断。オキシコドン製剤内服、ビスフォネート製剤点滴にも関わらず疼痛コントロール不良であり、本人、家族に十分な説明をした上で、同部位に対して、第7病日にRFA施行。Radionics社製Cooltip-needle使用し、エコーガイド下にて経皮的にアプローチし、焼灼。RFA後翌日より、疼痛改善。その後、大きな合併症なく経過し、第18病日退院。後日、PET-CT施行し、治療部位に集積を認めず、AFP値も著明に低下した。2013年7月8日の時点で疼痛再燃なく、肝内病変再発なく経過している。【考察】骨転移に対するRFAに関して、局所制御の観点と疼痛コントロールの観点からも有用である報告が文献でも散見され、本症例でも同様の結果が得られた。その病態、要因に関して、若干の文献的考察を踏まえ、報告する。
索引用語 肝細胞癌, 骨転移