セッション情報 専修医セッション(卒後3-5年)

タイトル 011:

Inflammatory fibroid polypにより発症した小腸閉塞の1例

演者 柿原 知(大森赤十字病院 外科)
共同演者 佐々木 愼(大森赤十字病院 外科), 原田 真悠水(大森赤十字病院 外科), 三浦 恵美(大森赤十字病院 外科), 中山 洋(大森赤十字病院 外科), 渡辺 俊之(大森赤十字病院 外科), 坂本 穆彦(大森赤十字病院 病理部)
抄録 症例は65歳男性。平成25年2月より腹痛と嘔吐を頻回に認めたため近医を受診した。腸閉塞が疑われたため当院に救急搬送された。腹部造影CT検査で小腸に造影効果を伴う辺縁平滑な小腸腫瘍を認め、これより口側腸管が拡張していた。疼痛強く、重積や絞扼等の病態を否定できないため同日手術を施行した。術中所見では胃癌術後であることから腹腔内の癒着が強く、Treitz靭帯からの距離ははっきりしなかったが空腸・回腸の中間付近に、漿膜に引き連れを伴う2cm大の小腸腫瘍を認め、腫瘍より口側と肛門側で小腸に口径差を認めた。明らかな腸重積の所見は認められなかったが、同部位が閉塞部位と判断され腫瘍を含めて約20cmに渡る小腸部分切除術を施行した。術後経過は良好で、術後14日目に軽快退院した。術後病理組織検査では20x17x15mmの境界明瞭な粘膜下腫瘍であり、硝子様変性を伴う膠原線維の増生とリンパ球や組織球などの炎症細胞浸潤を認めInflammatory fibroid polyp(IFP)と診断された。IFPは消化管全体に発生するが、小腸に発生することは比較的稀である。その多くは腸閉塞の診断で緊急手術施行されている。若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 Inflammatory fibroid polyp, 小腸閉塞