セッション情報 専修医セッション(卒後3-5年)

タイトル 028:

C型肝硬変に対するリバビリン、PEG-IFNα2b併用療法中に化膿性膝関節炎を発症した一例

演者 池田 良輔(横浜労災病院 消化器内科)
共同演者 佐藤 晋二(横浜労災病院 消化器内科), 廣谷 あかね(横浜労災病院 消化器内科), 梅村 隆輔(横浜労災病院 消化器内科), 小宮 靖彦(横浜労災病院 消化器内科), 稲生 優海(横浜労災病院 消化器内科), 河島 圭吾(横浜労災病院 消化器内科), 江塚 明子(横浜労災病院 消化器内科), 金沢 憲由(横浜労災病院 消化器内科), 高野 幸司(横浜労災病院 消化器内科), 谷 理恵(横浜労災病院 消化器内科), 川名 憲一(横浜労災病院 消化器内科), 大谷 節哉(横浜労災病院 消化器内科), 永瀬 肇(横浜労災病院 消化器内科), 松本 雄(横浜労災病院 整形外科), 三上 容司(横浜労災病院 整形外科)
抄録 症例は61歳女性。C型慢性肝炎(serogroup2型、HCV-RNA5.7logIU/ml)に対して近医でSNMC投与による治療を受けていたが、抗ウイルス療法目的にて2010年9月に当院紹介され初診となった。既往として、33歳時に常位胎盤早期剥離にて輸血歴があった。ALTは60IU/l前後で推移していたが、PLT11万/μlと軽度の低下、γグロブリン30.0%と上昇、腹部エコーで脾腫を認めるなどの臨床検査所見から、C型肝硬変と診断した。10月上旬からリバビリン600mg/日、PEG-IFNα2b40μgにて治療を開始した。治療開始4週間後にはHCV-PCRは陰性化したが、治療開始3週以後、左膝関節痛が出現、近医整形外科の診察にて変形性膝関節症の診断となった。NSAIDs投与で症状の改善がなく、キシロカインの関節内注射にて症状軽減傾向であったが、ステロイド関節内注入後に膝関節痛と腫脹が増悪したため当院整形外科受診となった。関節の穿刺液から黄色ブドウ球菌が検出され、化膿性膝関節炎の診断となった。11月下旬に関節内洗浄デブリドマン施行、多量の排膿を認め、以後抗生剤投与も行い約2ヵ月の治療にて軽快退院となった。リバビリン、pegIFNα2bは治療開始後8週をもって中止となったが、以後HCVの再陽性化なく、SVRとなった。インターフェロンの副作用として関節痛は75%程度と頻度が高い。しかしながら化膿性関節炎の報告は稀であり、医学中央雑誌にて検索し得た限り、インターフェロン治療中に化膿性股関節炎を発症した一例のみであった。C型肝硬変に対するリバビリン、pegIFNα2b併用療法中に化膿性膝関節炎を発症した極めて稀な一例を経験したため、報告する。
索引用語 C型肝硬変, 化膿性膝関節炎