セッション情報 専修医セッション(卒後3-5年)

タイトル 024:

肝機能異常、ネフローゼ症候群を契機に診断された早期梅毒の1例

演者 山崎 允宏(東芝病院 消化器内科)
共同演者 新野 徹(東芝病院 消化器内科), 高橋 正倫(東芝病院 消化器内科), 柿本 光(東芝病院 消化器内科), 田上 大祐(東芝病院 消化器内科), 田代 淳(東芝病院 消化器内科), 手島 一陽(東芝病院 消化器内科), 松原 康朗(東芝病院 消化器内科), 三輪 純(東芝病院 消化器内科), 新井 雅裕(東芝病院 消化器内科)
抄録 特に自然気胸以外の既往を持たない26歳男性。2012年12月初旬より心窩部痛あり、近医で上部消化管内視鏡検査を受けたが異常を認めなかった。その後同月13日咽頭痛出現、15日に体幹部の皮疹が出現、18日には下腿浮腫を認めるようになったため23日に同院再受診、血液尿検査にて肝胆道系酵素の上昇、尿蛋白強陽性、26日腹部超音波検査にて腹水を認めたため、肝機能異常、ネフローゼ症候群の診断で精査加療目的に12月28日当院を紹介受診となった。当院初診時、上記症状の他に右腋窩および左鼠径部のリンパ節腫脹を認め、また肝機能異常精査のための感染症チェックにてRPR,TPHA共に陽性であることから梅毒感染症と診断し、同日加療目的に入院となった。改めて病歴聴取すると、男性間性交渉者であることが判明した。入院時体重は62kgと以前の体重52kgより増加していた。入院後、ベンジルペニシリンG静注用の点滴にて加療を開始した。その後、肝胆道系酵素の改善および下腿浮腫の軽快を認めた。2週間で抗菌薬加療を一旦終了とし、2013年1月12日に退院となった。その後、外来にて経過観察としている。近年本邦にて梅毒感染症の報告は僅かであるが、肝機能異常、ネフローゼ症候群を契機に診断された早期梅毒の1例を経験したため、文献的考察も含め検討した。
索引用語 早期梅毒, STD