セッション情報 | 専修医セッション(卒後3-5年) |
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タイトル | 038:続発性Budd-Chiari症候群を合併した下大静脈血管平滑筋肉腫の1例 |
演者 | 久田 裕也(国立国際医療研究センター 消化器内科) |
共同演者 | 野崎 雄一(国立国際医療研究センター 消化器内科), 小島 康志(国立国際医療研究センター 消化器内科), 猪狩 亨(国立国際医療研究センター 消化器内科), 矢郷 祐三(やごうクリニック), 三神 信太郎(国立国際医療研究センター 消化器内科), 櫻井 俊之(国立国際医療研究センター 消化器内科), 永田 尚義(国立国際医療研究センター 消化器内科), 横井 千寿(国立国際医療研究センター 消化器内科), 小早川 雅男(国立国際医療研究センター 消化器内科), 今村 雅俊(国立国際医療研究センター 消化器内科), 正木 尚彦(国立国際医療研究センター 消化器内科), 秋山 純一(国立国際医療研究センター 消化器内科), 柳瀬 幹雄(国立国際医療研究センター 消化器内科) |
抄録 | 下大静脈壁原発の血管平滑筋肉腫は比較的稀な疾患であり、そのうち肝静脈流入部から頭側に分布する上部発生例は4%と極めて稀とされる。我々は初診時に続発性Budd-Chiari症候群を呈した上部下大静脈平滑筋肉腫の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。【症例】53歳女性【主訴】心窩部不快感【現病歴】201X年2月より心窩部不快感を自覚したため近医を受診し、腹部超音波検査にて肝部下大静脈内に腫瘤を指摘され、同年3月当科へ紹介受診され、精査目的にて入院となった。【既往歴】流産にて子宮内膜掻爬術歴あり。【身体所見】バイタルサインは安定しており、腹部は平坦軟で、心窩部に圧痛を認めた。下肢に軽度浮腫を認めた。【入院時検査所見】AST 44 U/L、ALT 29 U/L、ALP 412 U/L、γGTP 147 U/Lと肝胆道系酵素の上昇を認め、CRP 1.21 mg/dlと軽度炎症反応を認める以外に著しい異常値は認めない。CEA 1.0 ng/ml、CA19-9 4.5 U/ml、AFP 2 U/ml、DCP 12 U/mlと各腫瘍マーカーも正常範囲内であった。【入院時画像所見】造影CT検査にて、右肝静脈の閉塞に始まり肝部下大静脈内から右心房内を主座とする頭尾方向10cm強の造影効果に乏しい腫瘤性病変を認め、背側では右副腎との境界が不明瞭であった。腫瘍の圧排による肝部下大静脈の狭小化を認めた。遠隔転移は認めなかった。【診断】経皮経肝エコーガイド下で腫瘍生検を施行した。病理学的に異型の強い紡錘形細胞を認め、免疫染色にてαSMA陽性、c-kit陰性、S100陰性であり、平滑筋肉腫と診断された。画像所見と併せて下大静脈原発血管平滑筋肉腫の診断に至った。【治療】確立された治療法は存在せず、放射線や化学療法に抵抗性を示し、外科的治療が第一選択とされるが、本症例では病変が肝部下大静脈内から右心房内に及んでおり、切除不能と判断され、他院にて化学療法が導入される方針となった。【考察】比較的稀とされる血管平滑筋肉腫の1例を経験した。一般に切除不能例では予後不良とされる。 |
索引用語 | 平滑筋肉腫, Budd-Chiari症候群 |