セッション情報 専修医セッション(卒後3-5年)

タイトル 005:

進行胃癌の播種性骨髄癌症に対するメトトレキサート+5FU療法により全身状態およびDICの改善が得られた1例

演者 寺崎 正彦(筑波大学附属病院 消化器内科)
共同演者 寺崎 正彦(筑波大学附属病院 消化器内科), 森脇 俊和(筑波大学附属病院 消化器内科), 佐藤 雅志(筑波大学附属病院 消化器内科), 俣野 大介(筑波大学附属病院 消化器内科), 岩井 健太郎(筑波大学附属病院 消化器内科), 浜野 由花子(筑波大学附属病院 消化器内科), 陶 経緯(筑波大学附属病院 消化器内科), 圷 大輔(筑波大学附属病院 消化器内科), 奈良坂 俊明(筑波大学附属病院 消化器内科), 金子 剛(筑波大学附属病院 消化器内科), 遠藤 慎治(筑波大学附属病院 消化器内科), 鈴木 英雄(筑波大学附属病院 消化器内科), 溝上 裕士(筑波大学附属病院 消化器内科), 兵頭 一之介(筑波大学附属病院 消化器内科)
抄録 【背景】胃癌が骨髄に転移すること(播種性骨髄癌症)は稀であり、播種性血管内凝固(DIC)を来した場合、予後は数週間とされている。全身状態が不良なことが多くbest supportive care(BSC)も十分考慮する必要があるが、化学療法が著効することでDICや全身状態が改善することが報告されている。播種性骨髄癌症を合併した進行胃癌に対するメトトレキサート+5FU(MF)療法が著効した症例を経験したので報告する。【症例】66歳男性。2012年7月頃より腰痛、左下肢痛と脱力、排尿困難が出現し、前医を受診。CT、上部消化管内視鏡で4型進行胃癌(印環細胞癌)、多発骨・リンパ節転移と診断。全身状態は不良でperformance status(PS)4だった。転院同日より左下肢痛、膀胱直腸障害の原因と考えられる胸椎病的骨折に対して放射線照射を開始。汎血球減少、凝固異常があり、DIC score 4点であった。早急にMF療法を開始したところ、一時的にDIC scoreが悪化するも徐々に改善した。全身状態も良好となり退院可能となったが、治療開始8ヶ月後に原病の増悪のため永眠された。主な有害事象としては、治療初期に重度の白血球減少、貧血を認めたが、輸血とG-CSF投与で対応可能であった。【結語】MF療法によってPSおよびDICの改善が得られた1例を経験した。しかし本症例のように積極的な治療によって必ずしも効果が得られるわけではなく、常にベネフィットとリスクを考え治療方針を決定していくことが重要であると思われた。
索引用語 胃癌, 播種性骨髄癌症