セッション情報 一般演題

タイトル 079:

急性膵炎を合併した好酸球性胃腸炎の一例

演者 芦谷 啓吾(埼玉医科大学総合診療内科)
共同演者 山岡  稔(埼玉医科大学総合診療内科), 米野 和明(埼玉医科大学総合診療内科), 筋野 智久(埼玉医科大学総合診療内科), 大庫 秀樹(埼玉医科大学総合診療内科), 草野  武(埼玉医科大学総合診療内科), 野口  哲(埼玉医科大学総合診療内科), 菅野  龍(埼玉医科大学総合診療内科), 小林 威仁(埼玉医科大学総合診療内科), 横田 和浩(埼玉医科大学総合診療内科), 有馬 博(埼玉医科大学総合診療内科), 木下 俊介(埼玉医科大学総合診療内科), 飯田 慎一郎(埼玉医科大学総合診療内科), 井上 清彰(埼玉医科大学総合診療内科), 茅野 秀一(埼玉医科大学病理学), 山本 啓二(埼玉医科大学総合診療内科), 今枝 博之(埼玉医科大学総合診療内科), 中元 秀友(埼玉医科大学総合診療内科)
抄録 症例は60歳代女性。気管支喘息と好酸球性鼻炎、蕁麻疹にて当院呼吸器内科、耳鼻科、皮膚科に通院中であった。スクリーニングの上部消化管内視鏡検査では食道には異常なく、萎縮性胃炎と腸上皮化生の所見のみで、びらんや潰瘍はみられなかったが、胃と十二指腸の生検で著明な好酸球浸潤を認めた。その後、心窩部痛が出現、血液検査で好酸球数の増加(26%)も認めるとともに、血清AMY、p-AMY、リパーゼ高値を認めたため、急性膵炎が疑われて入院した。腹部CT検査では膵腫大や膵周囲の浸出液貯留の所見はなく、腸管壁の肥厚や腹水もみられなかった。入院後、禁食と輸液、蛋白分解酵素阻害薬の投与により血清AMY、p-AMY、リパーゼは正常化した。しかし、心窩部痛は改善せず、末梢血好酸球数の増加が持続していた。下部消化管内視鏡検査でも内視鏡的に異常はみられなかったが、終末回腸と大腸の生検でもいずれも好酸球浸潤を認めた。以上より好酸球性胃腸炎と診断し、プレドニゾロン30mg/日を投与したところ、症状の改善および好酸球数の正常化をみとめた。退院後、プレドニゾロンは漸減して外来で5mg/日で維持している。好酸球性胃腸炎に急性膵炎の合併はまれで、また、発症前に内視鏡的所見に乏しいにもかかわらず胃十二指腸に著明な好酸球浸潤を指摘しえ、示唆に富む症例と考えられ、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 好酸球性食道炎, 急性膵炎