セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 071:膵管内進展を伴う膵腺房細胞癌(Acinar cell carcinoma of pancreas)の1例 |
演者 | 渡辺 悠人(千葉大学大学院医学研究院 消化器・腎臓内科学) |
共同演者 | 三方 林太郎(千葉大学大学院医学研究院 消化器・腎臓内科学), 石井 清文(千葉大学大学院医学研究院 消化器・腎臓内科学), 伊藤 禎浩(千葉大学大学院医学研究院 消化器・腎臓内科学), 大山 広(千葉大学大学院医学研究院 消化器・腎臓内科学), 安井 伸(千葉大学大学院医学研究院 消化器・腎臓内科学), 多田 素久(千葉大学大学院医学研究院 消化器・腎臓内科学), 石原 武(千葉大学大学院医学研究院 消化器・腎臓内科学), 横須賀 收(千葉大学大学院医学研究院 消化器・腎臓内科学), 吉富 秀幸(千葉大学大学院医学研究院 臓器制御外科学), 加藤 厚(千葉大学大学院医学研究院 臓器制御外科学), 大塚 将之(千葉大学大学院医学研究院 臓器制御外科学), 清水 宏明(千葉大学大学院医学研究院 臓器制御外科学), 宮崎 勝(千葉大学大学院医学研究院 臓器制御外科学) |
抄録 | 症例は42歳男性。腹痛を主訴に近医を受診。血液検査で膵酵素上昇、腹部超音波検査で主膵管拡張を指摘され、当科を紹介受診。造影CTでは膵尾部に40mm大の造影効果に乏しい腫瘤を認めた。MRCPでは膵尾部に40mm大のT2 lowで被膜を有し、内部に不均一な高信号を伴う病変を認めた。PET-CTでは膵尾部腫瘤にFDG異常集積像を認めた。超音波内視鏡検査では、膵尾部末端に40mm大の内部不均一で境界明瞭な充実性腫瘍を認め、尾部主膵管内への腫瘍進展を認めた。腫瘍マーカーはCEA 4.9 ng/ml、CA19-9 20.9 U/ml、DUPAN-2 25 U/ml以下、SPAN-1 8.6 U/ml。膵酵素は膵アミラーゼ 34 U/l、トリプシン 900 mg/ml以上、リパーゼ 480 U/l、エラスターゼ1 950 ng/dl。超音波内視鏡下穿刺吸引法(Endoscopic ultrasonographic-fine needle aspiration;以下EUS-FNA)では腺癌の診断であった。画像所見は膵内分泌腫瘍や膵腺房細胞癌(Acinar cell carcinoma of pancreas;以下ACC)等が鑑別診断として挙げられていた。進展度診断cStage4a(T4N1M0)として膵体尾部切除術および脾臓摘出術施行。術後病理診断は膵腺房細胞癌pStage2(T2N0M0)であった。好酸性顆粒状細胞質を有した異型細胞が腺腔を形成して密に増殖し、腫瘍の主膵管内進展および分枝膵管内進展を認めた。免疫染色ではα-1-antitrypsin、α-1-antichymotrypsinで陽性細胞を認めた。Chromogranin A、Synaptophysinは陰性、CEAは陰性であった。術後25日目に退院。現在、術後9ヶ月で、無再発生存中である。ACCは比較的稀な膵腫瘍であり、膵癌全体の1%未満と言われている。ACCには膵管内進展を伴うとする報告が散見される。また、EUS-FNAにてACCと通常型膵管癌を鑑別することは困難との報告がある。今回、我々は膵管内進展を伴う膵腺房細胞癌の1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 膵腺房細胞癌, EUS-FNA |