セッション情報 一般演題

タイトル 081:

傍乳頭憩室炎による膿瘍形成を来した一例

演者 遠藤 利行(昭和大学医学部内科学消化器内科部門 藤が丘病院)
共同演者 猪 聡志(昭和大学医学部内科学消化器内科部門 藤が丘病院), 鈴木 玲佳(昭和大学医学部内科学消化器内科部門 藤が丘病院), 林 将史(昭和大学医学部内科学消化器内科部門 藤が丘病院), 中西 徹(昭和大学医学部内科学消化器内科部門 藤が丘病院), 阿曽沼 邦央(昭和大学医学部内科学消化器内科部門 藤が丘病院), 高野 祐一(昭和大学医学部内科学消化器内科部門 藤が丘病院), 楯野 あゆみ(昭和大学医学部内科学消化器内科部門 藤が丘病院), 山村 詠一(昭和大学医学部内科学消化器内科部門 藤が丘病院), 齋藤 祐介(昭和大学医学部内科学消化器内科部門 藤が丘病院), 五味 邦代(昭和大学医学部内科学消化器内科部門 藤が丘病院), 黒木 優一郎(昭和大学医学部内科学消化器内科部門 藤が丘病院), 長濱 正亞(昭和大学医学部内科学消化器内科部門 藤が丘病院), 井上 和明(昭和大学医学部内科学消化器内科部門 藤が丘病院), 高橋 寛(昭和大学医学部内科学消化器内科部門 藤が丘病院)
抄録 【症例37歳女性【主訴】右季肋部痛、右側腹部痛、背部痛、嘔気【現病歴】2013年5月16日より上記主訴出現。翌日前医受診し、炎症反応高値(WBC 13800/μl,CRP 14.36 mg/dl)を認め、抗菌薬内服で経過観察となった。5月20日に症状改善せず、前医再受診し単純CTで十二指腸下行脚左側にairを含む60mm×40mmの占拠性病変を認め、十二指腸穿孔が疑われた。翌日に当院紹介受診し緊急入院した。【既往歴】2005年:バセドウ病【入院時現症】血圧:106/62 mmHg、脈拍:80回/分、体温:36.9度 眼瞼結膜貧血:なし、眼球結膜黄疸:なし、腹部所見:平坦・軟、右季肋部、右背部圧痛あり、反跳痛なし、腸蠕動音正常【入院後経過】十二指腸穿孔が疑われたため、絶食、PPI、ドリペネム1.5g/日の投与と胃管挿入による保存的加療を開始した。入院後7日目の採血では炎症反応正常となり、造影CTでは、占拠性病変は35mm×30mmと縮小を認めた。入院後11日目に原因精査のため、透視下造影、上部消化管内視鏡を施行。十二指腸乳頭口側に発赤調の粘膜を認め、カニュレーションチューブにて刺激を加えると易出血性であり、同部位から造影すると傍乳頭憩室と思われる部位への造影剤貯留を認めたが、明らかな穿孔の診断には至らなかった。入院後11日目でドリペネム終了とした。入院後16日目にMRIを施行したところ、占拠性病変は10mm×10mmと更に縮小しており、その他明らかな異常所見は認めなかったため、入院後18日目より食事開始とした。入院後22日目に上部消化管内視鏡を側視鏡にて施行。乳頭口側に3mm程度の憩室様の陥凹があり、その周囲の発赤した易出血性の粘膜より生検を施行したが悪性所見は認めなかった。食事開始後も経過良好で入院後23日目で退院した。【結語】比較的稀な傍乳頭憩室炎による膿瘍形成の一例を経験したため、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 傍乳頭憩室炎, 膿瘍