セッション情報 専修医セッション(卒後3-5年)

タイトル 010:

著明な高コレステロール血症を呈した蛋白漏出性胃腸症の1例

演者 石井 玲子(横須賀共済病院 消化器病センター内科)
共同演者 三好 正人(横須賀共済病院 消化器病センター内科), 佐藤 綾子(横須賀共済病院 消化器病センター内科), 松田 浩紀(横須賀共済病院 消化器病センター内科), 野澤 さやか(横須賀共済病院 消化器病センター内科), 小島 直紀(横須賀共済病院 消化器病センター内科), 久津川 誠(横須賀共済病院 消化器病センター内科), 山本 奈穂子(横須賀共済病院 消化器病センター内科), 幾世橋 佳(横須賀共済病院 消化器病センター内科), 伊田 春菜(横須賀共済病院 消化器病センター内科), 田邊 陽子(横須賀共済病院 消化器病センター内科), 渡邉 秀樹(横須賀共済病院 消化器病センター内科), 新井 勝春(横須賀共済病院 消化器病センター内科), 鈴木 秀明(横須賀共済病院 消化器病センター内科), 小林 史枝(横須賀共済病院 消化器病センター内科), 池田 隆明(横須賀共済病院 消化器病センター内科)
抄録 症例:61歳、女性。現病歴:平成25年4月に健診で右胸水を指摘され当院呼吸器内科を受診した。受診時検査:胸水は漏出液・細胞診Class1、血清アルブミン(Alb) 2.9g/dl、T-Cho 338mg/dl。経過中にAlbはさらに低下し、両側胸水とともに腹水が出現した。消耗性疾患やネフローゼ症候群による低Alb血症は否定的であり、蛋白漏出シンチで腸管への漏出所見が認められた。このため蛋白漏出性胃腸症(PLGE)の精査・治療目的にて消化器内科転科となった。転科時には著明な浮腫、腹水が認められた。検査成績:TP 4.4g/dl、Alb 1.6g/dl、T-Cho 408mg/dl、TG 330mg/dl。臨床経過:上部・下部消化管内視鏡では特記すべき所見は認められなかった。抗核抗体40倍陽性、抗SS-A/Ro、抗SS-B/La抗体陽性で、lip biopsyにて慢性唾液腺炎の所見が認められた。以上の検査結果よりシェーグレン症候群(SjS)に合併したPLGEの可能性を考えてプレドニゾロン30mg/dayによる治療を開始した。その後Albは徐々に増加し、浮腫・腹水も改善、またスタチン系薬剤を含めた治療にもかかわらず460mg/dlまで上昇したT-Choも速やかに低下した。PLGEではネフローゼ症候群と異なり、高Cho血症の合併は比較的稀とされている。我々は著明な高Cho血症を合併したSjSを背景とするPLGEを経験し、その臨床像が示唆に富むと考え報告する。
索引用語 蛋白漏出性胃腸症, 高コレステロール血症