セッション情報 研修医セッション(卒後2年迄)

タイトル 054:

SVR後のC型肝硬変に発見された胃静脈瘤に対してB-RTOを施行した2例

演者 鈴木 陽(新松戸中央総合病院 消化器・肝臓科)
共同演者 加藤 慶三(新松戸中央総合病院 消化器・肝臓科), 米澤 健(新松戸中央総合病院 消化器・肝臓科), 立花 浩幸(新松戸中央総合病院 消化器・肝臓科), 佐藤 祥之(新松戸中央総合病院 消化器・肝臓科), 井家  麻紀子(新松戸中央総合病院 消化器・肝臓科), 戸田 剛太郎(新松戸中央総合病院 消化器・肝臓科), 島田 紀朋(新松戸中央総合病院 消化器・肝臓科)
抄録 【目的】C型肝硬変に対してインターフェロン(IFN)治療を行い,SVRを獲得できたにもかかわらず,胃静脈瘤(GV)が発症しB-RTOにて治療した症例を経験したので報告する.【症例1】72歳女性.52歳時に検診でHCV抗体陽性を指摘され,64歳時,他院でIFN単独療法を行いSVRとなった.72歳時の検診での上部消化管造影検査で胃穹窿部に異常を指摘され当科を受診した.上部消化管内視鏡検査(GF)でLg-cfF2CwRC0のGVを指摘され,3D-CTで胃腎シャントを確認しB-RTOを施行した.供血路のPGVおよびSGVまで5%EOIを注入しGVの血栓化が確認され,現在まで再発を認めていない.【症例2】61歳男性.38歳時に心筋梗塞で近医にて加療された際にC型肝炎を指摘された.59歳時にPeg-IFN/RBV療法を行いSVRとなった.心窩部痛で61歳時にGFを施行した際,食道胃静脈瘤LiF1CwRC0Lg-cfF3CwRC0を指摘され,EISを施行した.EVは血栓化したがGVが残存したため,GVに対する治療目的で当院紹介受診.3D-CTでは胃腎シャントは細く,主たる排血路は左下横隔静脈であった.門脈圧を減圧する目的でPSEを先行した.B-RTOを施行予定とした.2013年7月バルーンカテーテルを胃腎シャントに挿入し,下横隔静脈をマイクロコイルで塞栓し,供血路のPGVおよびSGVまで5%EOIを注入した.しかしB-RTVでLGVの描出がされず,不十分な血栓化であったため,追加でEISを施行予定としている. 【考察及び結語】C型肝硬変に対するIFN治療でSVRが達成された場合,肝線維化は改善すると報告されているが,治療を要する消化管静脈瘤が発見される例も認められる.IFN治療前後には肝細胞癌のスクリーニングのみならず,CT・内視鏡検査等での静脈瘤の検索も重要であると考え報告する.
索引用語 胃静脈瘤, C型肝硬変