セッション情報 専修医セッション(卒後3-5年)

タイトル 013:

Campylobacter腸炎の経過中に急性膵炎を発症した一例

演者 小林 瑠美子(自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科)
共同演者 松本 吏弘(自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科), 石井 剛弘(自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科), 大竹 はるか(自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科), 吉川 修平(自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科), 上原 建志(自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科), 新藤 雄司(自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科), 山中 健一(自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科), 池田 正俊(自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科), 東海 浩一(自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科), 牛丸 信也(自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科), 浅野 岳晴(自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科), 福西 昌徳(自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科), 岩城 孝明(自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科), 鷺原 規喜(自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科), 浅部 伸一(自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科), 宮谷 博幸(自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科), 吉田 行雄(自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科)
抄録 【症例】25歳,男性 【主訴】下痢,右側腹部痛,発熱 【現病歴】来院3日前より右側腹部痛,水様下痢便が出現した.来院前日に38度台の発熱あり,近医で酪酸菌製剤とアセトアミノフェンを処方されたが,1日20行以上の下痢と発熱が持続し,精査加療目的に当院を紹介受診した.【既往歴】15歳時に虫垂炎に対し手術 【生活歴】機会飲酒,喫煙なし 【入院時現症】体温39.1度,脈拍 86bpm,血圧107/58mmHg,右側腹部に自発痛・圧痛あるが反跳痛はなし.【入院時検査所見】WBC 13120/μl(Band 55.0%,Seg 39.0%),CRP 11.58mg/dl,膵アミラーゼ24IU/L,便培養検査では有意菌は検出せず.腹部超音波検査では上行結腸の壁肥厚を認めた.【入院後経過】ウイルス性腸炎を疑い絶食補液管理とした.入院2日目に解熱し炎症反応も改善傾向にあり,入院4日目には下痢1日5行程度となり右側腹部痛も改善したが,新たに心窩部痛が出現した.膵アミラーゼ341 IU/L,リパーゼ660IU/Lと上昇し,CTでは明らかな膵腫大は認めなかったが急性膵炎の診断で治療を行った.翌日には膵酵素がpeak outし,入院6日目より食事再開した.入院7日目に鮮血便が出現し,その際の便培養検査でCampylobacter jejuni/coliが検出された.下部消化管内視鏡検査では回腸末端から全大腸にアフタが多発していた.その後血便は消失し経過良好で入院12日目に退院した.【結語】Campylobacter腸炎の経過中に急性膵炎を発症した稀な一例を経験した.Campylobacter腸炎の他に急性膵炎を生じる明らかな原因がなく,関連が疑われたため,文献的考察とともに報告する.
索引用語 Campylobacter腸炎, 急性膵炎