セッション情報 研修医セッション(卒後2年迄)

タイトル 051:

重症型アルコール性肝炎にカンジダ性腹腔内膿瘍を合併した一例

演者 鈴木 良(東海大学 医学部 内科学系 消化器内科学)
共同演者 安斎 和也(東海大学 医学部 内科学系 消化器内科学), 鶴谷 康太(東海大学 医学部 内科学系 消化器内科学), 中原 史雄(東海大学 医学部 内科学系 消化器内科学), 荒瀬 吉孝(東海大学 医学部 内科学系 消化器内科学), 広瀬 俊治(東海大学 医学部 内科学系 消化器内科学), 沼田 誠(東海大学医学部付属大磯病院), 長田 成彦(東海大学医学部付属大磯病院), 加川 建弘(東海大学 医学部 内科学系 消化器内科学), 白石 光一(東海大学 医学部 内科学系 消化器内科学), 峯 徹哉(東海大学 医学部 内科学系 消化器内科学)
抄録 【症例】34歳女性
【主訴】意識障害
【既往歴】統合失調症、アルコール依存症
【個人歴】飲酒:焼酎1升/日 喫煙:5本/日
【経過】2011年5月頃から焼酎1升/日程度摂取していた。2012年5月に意識障害にて近医救急搬送となり、肝胆道系酵素上昇を認め精査加療目的に当院転院搬送となった。アルコール多飲を背景として、AST優位の血清トランスアミラーゼの上昇、血清総ビリルビンの高度上昇、プロトロンビン時間著明低下、DIC併発、血清Cr上昇を認め、Japan Alcoholic Hepatitis Score(JAS)13点で重症型アルコール性肝炎と診断した。肺炎によるARDS合併にて人工呼吸器管理、乏尿にて人工透析導入とした。ステロイドパルス療法を含めた集学的加療にて病態は改善し、第60病日に透析も離脱可能となった。また経過中に、脾臓周囲に膿瘍を認め、ドレナージを施行した。穿刺液の培養より、カンジダが検出され、抗真菌薬も併用した結果、膿瘍の著しい改善を得た。入院時に認めたCTでの高度脂肪肝も改善しており、第114病日に施行した肝生検では重症型アルコール性肝炎回復期の所見で、第120病日にリハビリ目的に同年9月他院へ転院した。
カンジダ性腹腔内膿瘍を合併した重症型アルコール性肝炎かつ救命例であり、貴重な症例と考えられ、若干の文献的考察を踏まえ報告する。
索引用語 重症型アルコール性肝炎, 腹腔内膿瘍