セッション情報 一般演題

タイトル 072:

膵仮性動脈瘤の消化管穿通により多量出血を生じ、血管内治療が奏効した1例

演者 深見 裕一(総合病院 土浦協同病院 消化器内科)
共同演者 酒井 義法(総合病院 土浦協同病院 消化器内科), 鈴木 快(総合病院 土浦協同病院 消化器内科), 小堀 郁博(総合病院 土浦協同病院 消化器内科), 鈴木 雄一朗(総合病院 土浦協同病院 消化器内科), 柴田 勇(総合病院 土浦協同病院 消化器内科), 松本 有加(総合病院 土浦協同病院 消化器内科), 舛石 俊樹(総合病院 土浦協同病院 消化器内科), 市田 崇(総合病院 土浦協同病院 消化器内科), 草野 史彦(総合病院 土浦協同病院 消化器内科), 松久 顕之(総合病院 土浦協同病院 放射線科), 田澤 潤一(総合病院 土浦協同病院 消化器内科)
抄録 症例は48歳男性。既往に飲酒による慢性膵炎を認めていた。吐血にて前医受診し、止血困難のため当院に紹介搬送された。腹部造影CTにて主膵管の拡張と膵の石灰化を認め、胃体後壁に膵尾部との連続性のある深い潰瘍を認めた。上部消化管内視鏡にて胃体上部後壁の瘻孔と瘻孔内の凝血塊を認めた。GISTからの出血も考えられたが、慢性膵炎による膵仮性嚢胞の胃穿通と仮性動脈瘤からの出血を疑った。入院後経過で大量の吐下血と出血性ショックとなり、緊急血管塞栓術を行った。血管造影にて左胃動脈の末梢に仮性動脈瘤と同部位からの血管外漏出を認めた。同部位に対してヒストアクリルによる塞栓を行った。前医で20単位、当院で8単位の赤血球濃厚液の輸血を行った。 治療後は再出血を認めず、上部消化管内視鏡で膵仮性嚢胞と胃壁の瘻孔が閉塞しているのを確認し、CTで潰瘍性病変の消失を確認した。 慢性膵炎の経過で膵仮性嚢胞を生じることは多いが、嚢胞内出血や仮性嚢胞の胃穿通は稀である。本症例を通じて血管造影による仮性動脈瘤の評価の重要性と有効性について文献的考察を踏まえて報告する。
索引用語 仮性動脈瘤, 膵仮性のう胞