セッション情報 専修医セッション(卒後3-5年)

タイトル 019:

インフリキシマブにより発熱性好中球減少を認め治療に難渋した潰瘍性大腸炎の1例

演者 荒井 亮士(埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科)
共同演者 可児 和仁(埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科), 加藤 真吾(埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科), 名越 澄子(埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科), 屋嘉比 康治(埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科), 幡野 哲(埼玉医科大学総合医療センター 消化管外科・一般外科), 石橋 敬一郎(埼玉医科大学総合医療センター 消化管外科・一般外科), 石田 秀行(埼玉医科大学総合医療センター 消化管外科・一般外科)
抄録 【症例】63歳女性【主訴】下痢、血便【現病歴】40歳時、潰瘍性大腸炎を発症しサラゾピリンで治療されていた。平成24年5月下痢血便悪化し、ペンタサに変更、プレドニン30mg投与するも改善せず、7月当院へ入院した。アサコール3600mgに変更しプログラフにて寛解導入、9月退院となった。プレドニンは漸減中止した。11月から脱毛が出現し、プログラフの副作用と考え、中止したところ下痢8回と悪化、GCAPを週2回施行し計10回するも改善しなかった。平成25年1月8日脱毛が改善したのでアザニン25mgを開始した。また、12月頃から下肢浮腫を認めていたため、アサコールのDLSTを検査提出、多剤アレルギーがあるためアザチオプリンのDLSTも検査提出した。1月28日白血球数が1400/μl、好中球数210/μlと低下し入院となった。【既往歴】橋本病、糖尿病【アレルギー】ブスコパン、エパデール、リピトール、イリコロンM【入院時所見】体温39度、下痢血便8回、右側腹部下腹部圧痛【入院後経過】白血球減少は、アザニンの副作用と考え中止した。DLSTはアザチオプリン、アサコール共に陽性であった。GCSFを投与し2月4日に白血球数3700/μlと改善したためGCSFは中止した。下痢血便は改善せず大腸内視鏡にて活動性を認めた。寛解導入のため16日レミケードを投与した。3月5日白血球数1500/μl、血小板36000/μlと低下し、発熱も認め、発熱性好中球減少症と診断した。抗生剤と抗真菌薬投与、GCSFを投与した。一時、白血球数600/μlまで低下するも 21日には改善した。下痢血便は15回であり、内科的治療では、寛解導入困難と判断した。4月1日大腸全摘術を施行し22日退院となった。【考察】薬剤に対し多剤アレルギーがあり、インフリキシマブ投与により白血球減少と血小板減少をきたした。それに伴い発熱を認め、発熱性好中球減少症と診断し、抗生剤と抗真菌薬で治療した。治療に難渋した潰瘍性大腸炎を経験したので報告する。
索引用語 潰瘍性大腸炎, 発熱性好中球減少症