セッション情報 一般演題

タイトル 092:

巨大肝細胞癌に対してソラフェニブ先行投与後肝動注化学療法が著効した2症例

演者 松井 太吾(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科)
共同演者 永井 英成(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科), 荻野 悠(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科), 松井 哲平(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科), 金山 政洋(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科), 籾山 浩一(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科), 石井 耕司(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科), 五十嵐 良典(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科), 住野 泰清(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科)
抄録 【症例1】74歳女性。慢性心房細動、慢性心不全で当院へ通院中、心窩部から右季肋部にかけて鈍痛を自覚。腹部CTで肝左葉の巨大腫瘤を指摘され当科紹介となった。理学的所見では、心窩部に手拳大、弾性硬、圧痛を伴う腫瘤を触知。血液検査では、AFP40275、PIVKA339678と著明な上昇を認めた。腹部超音波およびCT所見では、門脈本幹へ浸潤を来たした肝左葉を占める肝細胞癌(HCC)と診断した。既往症により内科的治療となった。【症例2】60歳女性。近医に高血圧で通院中であったが、食欲不振、体重減少が出現。血液検査で肝障害を指摘され当科紹介となった。理学的所見では、心窩部に手拳大、弾性硬な腫瘤を触知。血液検査では、B型慢性肝炎とAFP38215、PIVKA234543の著明な上昇を認めた。腹部超音波およびCT所見では、門脈臍部の強い圧排を伴う肝右葉を占め、門脈後区域に腫瘍栓を伴う肝細胞癌と診断した。外科的治療を検討したが本人の希望により内科的治療となった。【入院後経過】2症例とも治療はソラフェニブ(SF)400mg/dayを4週間先行投与し、5-FUを用いた肝動注化学療法を4週間投与し、これを交互に可能な限り施行した。その結果、2症例とも腫瘍の著明な縮小と腫瘍血管の減少を認め、さらに腫瘍マーカーの著明な低下も認めた。【考案】我々はSF先行投与後に肝動注化学療法を行ったことで、著効が得られた進行肝細胞癌の2症例を経験した。腫瘍血管は内皮細胞だけで増殖し、高い漏出性と形態的な蛇行が血流動態を不安定にし、腫瘍への抗癌剤の到達を悪くしていると言われている。JainらはSFによる腫瘍血管の正常化を報告しており、今回の症例においてもSFの先行投与を行うことで、VEGF阻害によって腫瘍血管の増殖抑制が起こり、血流動態が是正され、さらには血管が正常化することで抗癌剤が腫瘍へ到達し易くなり、著効が得られた可能性が推察された。
索引用語 ソラフェニブ, 肝細胞癌