セッション情報 専修医セッション(卒後3-5年)

タイトル 006:

急性胃拡張を契機に発見された十二指腸follicular lymphomaの1例

演者 野村 舟三(駿河台日本大学病院 消化器肝臓内科)
共同演者 西山 竜(駿河台日本大学病院 消化器肝臓内科), 富田 崇志(駿河台日本大学病院 消化器肝臓内科), 神津 馨里奈(駿河台日本大学病院 消化器肝臓内科), 塩澤 克彦(駿河台日本大学病院 消化器肝臓内科), 三浦 隆生(駿河台日本大学病院 消化器肝臓内科), 中河原 浩史(駿河台日本大学病院 消化器肝臓内科), 大久保 理恵(駿河台日本大学病院 消化器肝臓内科), 赤井 祐一(駿河台日本大学病院 消化器肝臓内科), 小川 眞広(駿河台日本大学病院 消化器肝臓内科), 中島 典子(駿河台日本大学病院 消化器肝臓内科), 田中 直英(駿河台日本大学病院 消化器肝臓内科), 森山 光彦(駿河台日本大学病院 消化器肝臓内科), 絹川 典子(駿河台日本大学病院 病理科)
抄録 嘔吐を主訴に来院し、腹部CT検査から急性胃拡張と診断し、原因精査のために行われた経口的小腸内視鏡検査で十二指腸follicular lymphomaと診断した1例を経験したので報告する。【症例】65歳、男性。既往歴:大腸ポリープ。嘔吐を主訴に外来を受診し、上部消化管内視鏡検査を施行しようとするも、噴出性嘔吐で中止した。同日行った腹部CT検査では胃から十二指腸下行脚にかけて著明な液体の貯留を認め、急性胃拡張症であった。入院にて上腸間膜動脈症候群や腫瘍性病変を疑い精査をおこなった。絶食、脱水補正目的に補液を行った。ガストログラフィンによる消化管造影検査では、十二指腸水平脚に狭窄部は認めたが、造影剤の流出は良好であった。腹部超音波検査では十二指腸壁の肥厚所見を認め、十二指腸腫瘍が疑われた。第8病日にバルーン小腸内視鏡検査を行い、十二指腸水平脚に半周性から3/4周性の白色顆粒状隆起性病変を認めた。さらに病変の肛門側に非連続性の顆粒状隆起性病変を認めた。それぞれの隆起性病変からの生検結果より、十二指腸follicular lymphomaと診断された。経過中嘔吐を含む狭窄症状は改善し、食事5分粥まで食上げ可能となったところで、他院血液内科へ紹介となった。follicular lymphomaは病変が粘膜表層に存在するため、腸管の狭小化をきたす症例は少なく自覚症状もないことが多い。発見契機が急性胃拡張のような有症状であるfollicular lymphomaは稀であると考え報告した。
索引用語 follicular lymphoma, 急性胃拡張