セッション情報 | 研修医セッション(卒後2年迄) |
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タイトル | 052:急性肝炎として発症したホジキンリンパ腫の1例 |
演者 | 植村 隼人(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科) |
共同演者 | 打矢 紘(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科), 中山 伸朗(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科), 塩川 慶典(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科), 内田 義人(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科), 繁田 貴博(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科), 藤井 庸平(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科), 平原 和紀(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科), 中澤 学(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科), 近山 琢(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科), 安藤 さつき(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科), 吉野 廉子(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科), 菅原 通子(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科), 濱岡 和宏(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科), 本谷 大介(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科), 稲生 実枝(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科), 今井 幸紀(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科), 岡 政志(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科), 正岡 亜希子(埼玉医科大学国際医療センター 病理診断科), 茅野 秀一(埼玉医科大学国際医療センター 病理診断科), 持田 智(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科) |
抄録 | 症例は63歳の男性。3か月前より咳嗽症状が続き,3週間前から37℃台の微熱と嘔気が見られるようになった。総合感冒薬を内服したが,その2週後には食欲不振,嘔気が強まり,発熱と眼前暗黒感で体動不能となって入院した。体表リンパ節の腫脹なし。白血球数2,330,Hb 10.4 g/dL,血小板数14.1万,CRP 20.6 mg/dL,AST 52 IU/L,ALT 61 IU/L,LDH 236 IU/L,ALP 1,343 IU/L,γGTP115 IU/L,T-Bil 1.3 mg/dL,IgM-HA抗体陰性,HBs抗原陰性,HCV抗体陰性。2ヶ月で体重が6 kg減少。腹部CTにて肝脾腫,腹腔内リンパ節腫脹を認めた。胆道感染症と考え,スルバクタムナトリウム・セフォペラゾンナトリウムを投与してCRPは10 mg/dLにまで低下した。しかし,微熱と肝機能検査値の異常が持続したため,肝生検を施行した。門脈域に炎症細胞浸潤,肝小葉に巣状壊死を認め,急性肝炎の病理組織像であったが,壊死炎症巣内にCD30陽性,EBER1陽性大型細胞の浸潤が観察され,これらはPAX5陽性であったことから,古典的ホジキンリンパ腫の肝浸潤と診断とした。B症状(発熱,盗汗,体重減少)あり,stage IVbとして化学療法を開始した。 ホジキンリンパ腫は悪性リンパ腫全体の約5%程度の発生頻度であり,表在リンパ節腫張を主症状とし,血液所見やリンパ節生検で診断されることが一般的である。本症例では肝胆道系酵素の異常と炎症反応が臨床像の主体で,肝病理組織所見により確定診断に至った示唆に富む症例と考え報告する。 |
索引用語 | 悪性リンパ腫, EBER1 |